内容説明
本書は、比較史的な視野のもと、近代という時代をその重要なモメントである「法」の視角から再検討した、気鋭の法学者による熱いシンポジウムの記録である。揺籃の地となった西欧の「近代法」像と、非西欧世界における受容と変容の過程を考察し、その把握に伴う困難な問題を投げ掛け合うことにより、近代法の系譜と構造を、さらにはポスト近代法の座標軸を浮かび上がらせる。
目次
第1部 報告(絶対主義時代の法形態と立法目的―多様性と秩序化、全体化と個体化;フランス民法という世界―革命と近代法の誕生;ナチズムと近代・近代法―「近代法の再定位」に寄せて;近代法秩序と清代民事法秩序―もう一つの近代法史論;中国の近代化における産業財産権の構造転換―株式制の社会的機能を中心として;西欧近代法受容の前提―大坂町奉行所民事裁判法の性格について;日本「近代法」における民事と商事)
第2部 問題と考察(近代法の再定位のための七つの試みに接して;問題と考察)
著者等紹介
石井三記[イシイミツキ]
1955年生まれ。名古屋大学大学院法学研究科教授。著書に「18世紀フランスの法と正義」(’99年)
寺田浩明[テタラダヒロアキ]
1953年生まれ。東北大学大学院法学研究科教授
西川洋一[ニシカワヨウイチ]
1954年生まれ。東京大学大学院法学研究科教授
水林彪[ミズバヤシタケシ]
1947年生まれ。東京都立大学法学部教授。著書に「記紀神話と王権の祭り」(’91年)「封建制の再編と日本的社会の確立」(’87年)
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