内容説明
本稿は1980年代に英国の政治風景を一変させ、世界的な新保守主義ブームの先鞭をつけたサッチャリズムと呼ばれる一連の政治的イニシアティヴを理解しようとする試みである。それは同時に、今日における政治学という学問的営為の一つの可能性を指し示すことを期すものとなっている。
目次
序章 サッチャリズムへの理論的視角
第1章 文脈の同定―イギリス政治の再検討
第2章 サッチャリズム前史―1979年以前の住宅政策
第3章 第一期サッチャー政権―「買う権利」政策の展開
第4章 1980年住宅政策体制―中央・地方関係の混迷
第5章 第二期サッチャー政権―革新への胎動と民営化政策
第6章 1987年保守党綱領―ポピュラー・キャピタリズムの誕生
第7章 第三期サッチャ―政権―新しい国家戦略の形成
終章 作用としてのサッチャリズム