内容説明
“愛の宗教”であるキリスト教が大きな影響力をもっていたナチス支配下のドイツにおいて、なぜ、想像を絶する「ユダヤ人大量虐殺」、「障害者安楽死計画」、「侵略戦争」が遂行されえたのだろうか。本書は「政治と宗教」、「戦争批判と平和の創造」、「人間の尊厳」という問題意識を根底に据え、キリスト教会とナチス政権の複雑な関係を解明し、“第三帝国”崩壊後の「ドイツ教会闘争」の総括、「シュトゥットガルト罪責宣言」の成立過程を鮮やかに描き出した渾身の書。
目次
第1章 独裁国家と教会―ナチス政権初期の福音主義教会
第2章 ナチスのユダヤ人迫害とプロテスタント教会
第3章 ナチス安楽死作戦と内国伝道―ドイツ・キリスト教社会福祉の試練
第4章 テオフィール・ヴルム監督の抵抗―戦時下ドイツ教会闘争の一齣
第5章 戦争末期の古プロイセン合同告白教会
第6章 シュトゥットガルト罪責宣言への道―ドイツ教会闘争の終幕
著者等紹介
河島幸夫[カワシマサチオ]
1942年兵庫県小野市に生まれる。東北大学法学部、神戸大学大学院、ハイデルベルク大学に学ぶ。法学博士(東北大学)。西南学院大学法学部教授(政治学・政治外交史・人権平和研究)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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