内容説明
本書は、「ナチ体制の思想」、「反ナチ体制の思想と運動」、「ナチ体験とその省察」の三部から成る。この構成が示しているように、本書は単なる「ナチ思想研究」ではない。むしろ「ナチズム」思想と「反ナチ」思想の両面から、「ナチ・ドイツ」の思想状況を照らし出す新たな試みである。本書はまた、政治学・神学・教育学における、ドイツと日本の専門家の参加を得た「学際研究」の成果である。
目次
1 ナチ体制の思想(独裁者の政治思想―ヒトラーの歴史像を中心に;ヒトラー『わが闘争』精読―その宗教的および擬似宗教的な概念、常套句及び表象;職能身分制論とナチズム ほか)
2 反ナチ体制の思想と運動(順応と抵抗との間にある神学;「国民社会主義」と「宗教的社会主義」―パウル・ティリッヒの反ナチ闘争;ナチズムとバルト―『バルメン宣言』第三項を巡って ほか)
3 ナチ体験とその省察(ナチズム・戦時動員体制・企業国家―マイケル・オークショットの思想形成と戦争体験;南原繁のナチズム批判―『国家と宗教』第四章を中心に;運命と罪責)
著者等紹介
宮田光雄[ミヤタミツオ]
1928年生。東京大学法学部卒。東北大学法学部教授を経て、現在、東北大学名誉教授
柳父圀近[ヤギウクニチカ]
1946年生。一橋大学大学院博士課程修了。東北大学法学研究科教授
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