感想・レビュー
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うえ
5
「わが国におけるイタリア哲学研究は、英米独仏の哲学研究にくらべて、ひじょうに立ちおくれている。これはおもに、明治以来の近代化のモデルとなったのが上記の先進四か国であったことによる。そして欧米にたいする知識人の関心もまた、おもにこの四か国に集中した…イタリア哲学への関心の低調さは…西洋哲学史においてイタリアが果たした歴史的役割そのものにも原因があった。十七世紀には、ヨーロッパ文化の重心がイタリアからアルプスの北にうつる。それ以来、近世を通じてイタリアは、哲学の分野においてもヨーロッパの傍系的存在に留まった」2017/09/27