感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雁林院溟齋居士（雁林）
2
優れた研究書。カントとサルトルから『試論』の自我論を読む（生成する内在的実在としての「私」）、当時の「新哲学論争」から創造的進化の科学的認識論を読む（ルロワ的プラグマティズムとの差異）、『試論』と『笑い』から読むベルクソンの美学的側面、『二源泉』における「呼びかけ」概念の考究、何れも大変啓発的である。各著作の微妙なズレや断絶をしっかり示してくれているのも素晴らしい。2012/09/21
