内容説明
古代から中世への転換期にギリシアに始まる哲学に何が起こったのか。近世哲学はギリシア哲学から何を受け継いだのか。これらの問題を考えるとき、アウグスティヌスの果たした役割は計り知れなく大きい。地中海世界にキリスト教西欧が誕生しつつあった時代、アウグスティヌスは、ひとりの人間として世界を見、自分を考えた。本書は「幸福とは何か」という古代世界に共通な問題関心から解き起こし、「存在」や「知識」に関わる哲学の基本概念を、アウグスティヌスがどのように捉え直し変貌させていったのかを、プロティノスの思想を踏まえて明らかにする。
目次
目的と意志(生の目的;幸福への意志)
知の確実性(認識の確実性;ことばと真理;信ずることと知ること)
存在と知(知の永遠性と魂の不死;精神の実体性)
内在と超越(観念としてのイデア;内在としての存在)
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