内容説明
生命倫理、環境倫理などの諸問題に目を据えながら、さらに「真に人間として生きることはいかなることであろうか」という私たちにとって永遠の究極的な問題に迫る。現在、世界的に見れば、飢えと戦乱に苦しむ地域もあるのに、日本では、物質的な豊かさに溢れ、経済的効率性に社会が支配されている。その中に見失われた人間性の取り戻しこそ、いま、何よりも必要なことである。内面的な豊かさとしての生の充実を求めて、改めて、自己自身に対して、意識を深く向けなおすべき時であろう。
目次
序章 苦悩する知―生きる環境を考える
A 生命を考える(実存としてのいのち―メタフュジックスからメタバイオロジーへ;生命と倫理―技術化された時代における問題点;実存思想と生命倫理;生命倫理という問題;生命倫理と倫理学)
B 環境を考える(環境倫理学の可能性;環境問題の背景と将来;失われた感性―実存的人間学からの一考察;悲劇とは何か―有限存在の事実性)
著者等紹介
浜田恂子[ハマダジュンコ]
1932年東京に生まれる。東京大学文学部独文学科・倫理学科卒業。同大学院博士課程(倫理学)単位取得満期退学。フンボルト財団研究奨学生としてチュービンゲン大学哲学科留学。文学博士。関東学院大学文学部教授を経て、2002年4月より同人間環境学部教授
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