感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
9
'22年、'23年に続き今回が三回目。今度はアマゾンで古本を買って読みました。心に沁みるヤスパース節が随所にある一方、ブドウの蔓のように入り組んで、どこが根っこでどこにブドウの房があるのやら、みたいな複雑な従属節の絡まりを読み解くのが、依然として苦しい・・・でも、要するにヤスパースは答えは自分で探せ、それが哲学することだ、と本巻では鮮明に述べらていて、果たして自分はその声をしっかり聴いていたろうか、と反省しました。2024/09/01
いとう・しんご
9
「哲学するはたらきは既に幼児の内にも萌している」P316、「哲学するということは死ぬことを学ぶということを意味する。」p387みたいな言葉が目白押しでA4版20枚弱の書き抜きが出来てしまいました。昭和39年の本で、ヤスパース独自の言葉遣いが難しい上に、日本語も時代がかってきていて、そもそも禁帯出にしている図書館もあって閲読自体が難しくなっている。誰か新訳を出してくれないだろうか。2023/12/28
いとう・しんご
7
「既に哲学という名称が、哲学は努力することであって所有することではない、とう観念から出て来たものである」p384(努力すること、に傍点あり)。「哲学すること」とは無窮の道であることを、宗教や芸術、諸科学との比較と対決の中で明らかにしている。なお、哲学3巻の序説が冒頭70ページに渡って記されていて、それを読むことも第2巻以降の理解に欠かせないかも、と思いました。2022/03/09