出版社内容情報
書物と共に歩んできた魂の遍歴の記録
世界の「正当性」を破壊しながら、人間存在の根源的な部分を抉り出し、現実への違和感を物語に託して世に放つ異端の小説家・吉村萬壱が、デビュー20年の節目に著す初の自伝的エッセイ。幼少期の鮮烈な体験と母親の存在は著者の人間形成に決定的な役割を果たすが、やがてそれに対抗する力として文学や哲学に傾倒してゆく。ニーチェやコリン・ウィルソン、井筒俊彦やヴィクトール・フランクルなど種々の著作のほか、映画作品や断片的なメモなど著者が血肉としてきた広義の「哲学書」を取り上げ、それらと創作との結び付きを考えながら、読むこと、書くこと、ひいては生きることそれ自体の意味を問う。
内容説明
“哲学”を読むこと、“文学”を書くこと、“人生”を狂うこと…。世界の「自明性」と、世間の「正当性」を破壊しながらもなお“物語”に人間の希望を託してきた作家の、魂魄の記録であり、現象学的自叙伝であり、誰も描き得なかった哲学の本である。
目次
1 肉
2 森
3 痴
4 秘
5 爆
6 狂
7 憑
8 雪
著者等紹介
吉村萬壱[ヨシムラマンイチ]
1961年、愛媛県松山市生まれ、大阪育ち。京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を務めた後、五十二歳で専業作家に。2001年「クチュクチュバーン」で第九十二回文學界新人賞を受賞してデビュー。以後一貫して、宇宙人的視点から見た人類(人間)の像を思い描きながら執筆している。2003年「ハリガネムシ」で第百二十九回芥川賞、2016年『臣女』で第二十二回島清恋愛文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ
Tenouji
spatz
なつのおすすめあにめ
omake