日本語の中の「私」―国語学と哲学の接点を求めて

日本語の中の「私」―国語学と哲学の接点を求めて

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  • サイズ B6判/ページ数 157p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784422900292
  • NDC分類 810.4
  • Cコード C1081

出版社内容情報

【内容紹介】

日本語は、主語をおかなくとも文法的には認められる構造をもつ世界的に珍しい言語だと言われる。これは日本人の没我や滅私の精神の表われとする考えもあるが、「私は」という形で主語が顕在しなくとも、「私」の空洞化を意味するものではない。本書は、気鋭の英語学者が日本語の構造の特徴を考察しながら、主語=「私」の表出のあり方について大胆な仮説を試みる。

明石康先生(元国連事務次長)推薦の書。
「日本語の本質に迫る大胆な仮説――わが国の国際化に横たわる問題を鋭く衝いている」明石 康  
 
【目次】
第1章 「私」ということ
第2章 内在する「私」
第3章 日本語における「私」
第4章 西田哲学の中の主客
第5章 時枝文法論における主客
第6章 第四人称案
第7章 受け身文再考
第8章 実例の考察
終章  結語

【著者略歴】
横浜市生まれ。横浜雙葉学園卒、上智大学外国語学部卒、同大学修士課程言語学専攻修了。1988年ブリティシュ・カウンシル奨励金によりケンブリッジ大学へ留学。1994年、ケンブリッジ大学において、日本人として初めて英語構文の理論言語学の枠組みでの分析で博士号を取得。現在、慶應義塾大学商学部教授。専攻は理論言語学。
英国式ディベート国際公認上級審査員の資格を有し(日本人の有資格者は現在2名)、国内外の大会で審査員を務める。

内容説明

日本語は、主語をおかなくとも文法的に認められる構造をもつ。「私は」という形で主語が顕在しなくとも、しかしそこには「私」がいる。日本語の構造の特徴と「私」の表出のあり方を探る。

目次

第1章 「私」と言うこと
第2章 内在する「私」
第3章 日本語における主客融合
第4章 西田哲学の中の主客
第5章 時枝文法論における主客
第6章 第四人称案
第7章 受身文の再考
第8章 実例の考察
終章 結語

著者等紹介

宇津木愛子[ウツギアイコ]
横浜市生まれ。横浜双葉学園卒、上智大学外国語学部卒、同大学修士課程言語学専攻修了。1988年、ブリティッシュ・カウンシル奨励金によりケンブリッジ大学へ留学。1994年、ケンブリッジ大学において英語構文の分析で博士号を取得。慶応義塾大学商学部教授。理論言語学の中の機能文法論を専門とする。2002年、英国式ディベート国際公認・上級審査員の資格試験に合格し(日本人の有資格者は現在2名)、国内外の大会で審査員を務める
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

90
日本語は、主語を必ずしも必要としない構造をもつから発した本。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。この主語は誰か。川端康成の小説を翻訳したサイデンステッカーが熟慮の末に立てた主語は、「汽車」であったという。日本人は主語の問題も考えないし、気にもしていない。また、戦時下の日本の国民的スローガンに「欲しがりません 勝つまでは」。あたかも世界と一体化したもののように、主語の「私」もしくは「私たち」を明示することなく、表現する。「私」の外の世界と対立することのないまま、外の世界と混然一体となってしまう。→2024/05/02

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