内容説明
「愛と死」のテーマは人類にとって、普遍性をもつものであろう。「愛」とは個人の本質的な欲求であり、それが社会や宿命、あるいは不運によって実現が難しくなるというテーマは、人生そのものの象徴的な表現であるとも考えられよう。そうなると「愛と死」の問題を追求することは、人生そのものの追求であるということに行きつく。本書は、西洋文学(オペラを含む)の流れのなかから「愛と死」を扱った作品をとりあげて論じたものである。
目次
第1章 ギリシア悲劇のエロス
第2章 愛と死の逆説―シェイクスピアの恋愛悲劇
第3章 ダンの詩にみるエロスと昇天
第4章 サムソンとミルトンの愛と死―『闘技士サムソン』におけるエロス
第5章 ピューリタンの出発点から
第6章 モーツァルトのオペラにみられる「愛と死」の音楽的表現
第7章 愛の完成と死―ドイツ・ロマン主義のながれのなかで
第8章 出会いの詩学―『谷間の百合』における「愛」と「死」
第9章 『嵐が丘』のエロス
第10章 『虚栄の市』のベッキーとアミーリァのエロス
第11章 〈不在〉のエロティックス―ペイター試論
第12章 トリスタン伝説、ヴァーグナー、そしてウルフ
第13章 『恋する女たち』にみられる愛と死―シャーウッドの森とグドルーンの部屋
第14章 ギャツビーと20世紀
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