内容説明
ブレッソンの代表作約60点を収録。年譜、展覧会の情報や参考文献付き。
著者等紹介
カルティエ=ブレッソン,アンリ[カルティエブレッソン,アンリ][Cartier‐Bresson,Henri]
1908‐2004、史上最高の写真家と言われている。フランスのシャントルーで裕福な実業家の家庭に生まれ、若い頃美術を学び、アフリカを放浪し、本格的に写真を撮り始めた。そして第二次世界大戦で捕虜となり、かろうじて脱出して帰還、1947年にロバート・キャパたちとともに写真のエージェント「マグナム・フォト」を設立した。その後、激変する世界の国々を訪れ、歴史的な「決定的瞬間」をカメラに収めていく。晩年は写真を離れ、デッサンに専念した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
64
最高の写真家と言われる、が、経歴見ると特に写真や美術を勉強したわけではない。 途中からはデッサン一筋になってるし。 彼にとって写真とは?ランボーにとっての詩のような物?2021/12/01
井月 奎(いづき けい)
29
アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真は語りかけてきます。被写体が雄弁に語るときを切り取り、その言葉もともに印画紙に焼き付けます。これほど雄弁な写真を他には知りません。彼の写真は画面いっぱいの驚きに満ちています。モチーフの組み合わせやその構図に鑑賞者の眼は釘付けになります。そしてそこに寄り添っているのがユーモアで、緊張をほぐして微笑みをくれるユーモアは芸術家のサービスでしょうか。持ち運びの容易なライカはカルティエ=ブレッソンに時間と空間を与え、それを使って彼は写真の世界を大きく広げたのです。2016/04/29
おおた
18
写真という芸術の世界に興味がない人ほど見ておくべき写真家がアンリ・カルティエ=ブレッソン。世界を止めるような写真を撮る人で、躍動感を留める力は唯一無二。人の呼吸さえ奪うかのよう。シベリアからインドまであらゆるところを回って、人々を止める。ここまで人を止められるのなら、写真という長方形の永遠があると信じられる。現実からイメージを喚起させるのが写真なのだと突きつける一冊。2016/08/15
ようこ
7
手摺りと階段の規則正しい線と線の重なり、秩序が保たれた部分と躍動的な部分がうまく共存していて見ていて気持ちが落ち着く。2022/09/02
そのじつ
5
B6サイズの写真集。ポストカード感覚で気楽に眺められる。あの有名な、水たまりの上を跳躍する男の一瞬を切り取った「サン=ラザール駅裏」も収録。私が気に入ったのは「マルヌ河畔で フランス 1938年」。まるまると肉付きの良い背中をこちらに向けた男女4人(とひざに乗ったおかっぱの子ども)が、一様に画面奥を流れている川面を眺め、食い、飲む様が写し出されている。食事もワインはほぼ食べ尽くされ、気怠く満足げな雰囲気がただよっている。2012/07/20