出版社内容情報
生物は進化の歴史のなかで5度の大量絶滅を経験してきた。そして私たちは現在、第6の大量絶滅のただなかにいる。本書ではドードーの絶滅、化石の研究やダーウィンの進化論、化石記録の空白による大量絶滅の発見など、具体例を通して人類が「絶滅」をどのように発見し、理解を深めてきたか、科学の歴史を紐解きながら解説する。過去の絶滅から学び、その知識を地球の現在と未来のためにどう生かすか、今から考えるヒントになる書。
【目次】
はじめに
第1章 絶滅の「発見」
インド洋の孤島モーリシャス/マダガスカル/学術的な命運をわけたこと/ヨーロッパ/研究競争/ダーウィン以前の化石の意味
第2章 ゾウと絶滅
ゾウの化石の役割/ゾウ類化石の研究/新世界のゾウ類化石/化石による時代区分
第3章 絶滅との出会い:1800年から1859年
時の砂丘/大きなナマケモノ/マンモスと博物館/パリ盆地の大惨事/神学と絶滅 Natural Theology looks at extinction/地質学原理/天国と地球/そして誰もいなくなった/作家と科学者/火と氷/すごいトカゲ類/古生物学における捏造/人類の歴史の長さ
第4章 ダーウィン
種の起源/ダーウィンの時代/ダーウィンの科学/ダーウィンの名声/ダーウィンの種の定義/コペルニクスとしてのダーウィン
第5章 Upsetting the Apple Carte:ダーウィニズムの前進
『人間の由来』/どのように種が生まれ、絶滅するか/「進化」の普及/ウマ類の進化/ハックスレーの貢献
第6章 大量絶滅の発見
大量絶滅の定義/古生代、中生代、新生代の誕生/古生代の大量絶滅/第三回目の大量絶滅/第四回目の大量絶滅/ジュラ紀における新しい系統の誕生
第7章 第5回目の大量絶滅
デカン・トラップ/宇宙から突然降ってきた新しい仮説/火山活動 vs 隕石衝突?/恐竜の多様性を精査する課題/恐竜化石記録の不完全さ/脊椎動物化石の分類の難しさ/国立科学博物館のパキケファロサウルス/小天体(隕石)説への合意形成/さらに長期間の傾向をさぐる/恐竜が教えてくれること/さいごに
コラム
文献一覧
おわりに