出版社内容情報
吉田茂を政権の座から引きずり下ろして鳩山一郎内閣を作り、1955年に自由党と民主党を統一して保守合同を成し遂げ自民党を作った最大の功労者・三木武吉。三木は1884年香川に生まれ、東京専門学校(現・早稲田大学)を出て憲政会に所属、戦前は衆議院議員の傍ら東京市会議員を兼任、京成電車疑獄事件に連座し批判を浴びるも報知新聞社長として国家主義を掲げた紙面づくりを主導し、反東條内閣の論陣を張った。戦後は公職追放処分の解除後、気骨ある党人派として「寝業師」「ヤジ将軍」「政界の大狸」などの異名をもって知られた。本書はこの大物として知られながら本格的な研究に乏しい稀代の政治家に光を当て、そのメディア議員としての生き様を軸に議会政治史の裏面を解きほぐす。
〈近代日本メディア議員列伝〉
明治から戦後にかけて〈政治のメディア化〉を体現したメディア議員を取り上げ、一人一冊で深掘りする、佐藤卓己氏単独編集による完全書下ろしの新シリーズ。国会議員がこぞってSNSで発信し続ける現代政治への向き合い方に自省を迫る、これまで無かった人物列伝。
内容説明
気骨ある党人派にして、タヌキの異名をもって“自民党をつくった男”。巧みなメディア戦略に隠れた実像に迫る傑作評伝。
目次
序章 嘘の品格
第1章 政治家への飛躍
第2章 野次将軍の暗躍
第3章 東京市政の黒幕
第4章 東京市疑獄事件の考察
第5章 報知新聞社長の策略
第6章 格子なき牢獄
第7章 保守合同の奇策
終章 狸のいない七月
著者等紹介
赤上裕幸[アカガミヒロユキ]
1982年、埼玉県生まれ。京都大学大学院教育学研究科教育科学専攻博士課程修了。現在、防衛大学校人文社会科学群公共政策学科准教授。博士(教育学)。専攻はメディア史、社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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