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出版社内容情報
現存唯一の行商列車である近鉄の鮮魚列車に同行取材を敢行、その実態と行商が育んだ食文化を考察する。唯一無二の行商列車探訪記。
漁村や農村を起点に、行商人を乗せて日々新鮮な食材を都市に届ける行商専用列車。かつては各地に見られたが、モータリゼーションの進展や流通技術の発展により次第に姿を消していき、いまでは伊勢志摩と大阪上本町を結ぶ近鉄の「鮮魚列車」を残すのみ。著者はその稀少な行商に同行取材を敢行、知られざる行商の実態と歴史、さらに行商が育んできた食文化、人々のつながりを明らかにする。後世に遺すべき、唯一無二の行商列車探訪記。
はじめに――鉄道と行商
第1章 大阪の「伊勢屋」
早朝の松阪駅/一番列車の一番組/近鉄の鮮魚列車/伊勢志摩魚行商組合連合会/「伊勢屋」ネットワーク
第2章 カンカン部隊の登場
アサリ漁の村/行先は十里四方/カゴからカンへ/足がかりは大和/露店からのスタート
第3章 魚アキンドの足跡
鳥取駅前マーケット/県境を越える道/列車内での卸売/因美線の行商人/「昭和会」と山陰線の通商自治組合/老漁師たち/泊のアキンド
第4章 アキンドに生きる―魚行商体験記
賃労働からアキンドへ/統制時代の物々交換/アキンドになる/得意先の開拓、競争/シイラの季節/さまざまな交流/稼ぎとやりがい
第5章 魚を食べる文化
古代にさかのぼる水産物の流通/運ばれたアイモノ/貴重だった魚/年取りの膳と魚/節日のまなぐい/祝い魚の移り変わり
第6章 魚を待つ人びと
「伊勢屋」の常連さん/産直の先駆け/小さな流通からみえるもの/「伊勢屋」五十五年の歴史
おわりに――消え行く行商列車
【著者紹介】
1965年鳥取県生まれ。旅の文化研究所主任研究員。博士(文学)。法政大学非常勤講師。民俗学専攻。定期市や行商に携わる人たちの生活誌、庶民の信仰の旅、女性の旅などについて調査研究を行っている。著書に『女の旅――幕末維新から明治期の11人』(中公新書)、『日本の民俗3 物と人の交流』(吉川弘文館・共著)、『落語にみる江戸の食文化』(河出書房新社・共著)、『絵図に見る伊勢参り』(河出書房新社・共著)、『乾杯の文化史』(ドメス出版・共著)などがある。
内容説明
“鮮度”と“魚食文化”を担いで女たちは今日も朝一番の列車に乗る―。ワン&オンリーの民俗誌。
目次
はじめに 鉄道と行商
第1章 大阪の「伊勢屋」
第2章 カンカン部隊の登場
第3章 魚アキンドの足跡
第4章 アキンドに生きる―魚行商体験記
第5章 魚を食べる文化
第6章 魚を待つ人びと
おわりに 消え行く行商列車
著者等紹介
山本志乃[ヤマモトシノ]
1965年鳥取県生まれ。旅の文化研究所主任研究員。博士(文学)。法政大学非常勤講師。民俗学専攻。定期市や行商に携わる人たちの生活誌、庶民の信仰の旅、女性の旅などについて調査研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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