出版社内容情報
本書では、古代エジプト文明・文化の基礎がつくられたとされるピラミッドが出現するまでの時期に焦点をあて、同時代の全体像を提示する。近年の古代エジプト史研究は、ともすれば新しい発掘とその成果の発表に終始し、研究そのものも細分化されすぎているきらいがある。本書はこうした現状に対して「視野の広い歴史研究」の必要性・重要性を提示するものであり、専門家や初学者にとって貴重な1冊となるはずである。
【著者紹介】
1968年生まれ。駒澤大学文学部歴史学科准教授。関西大学文学部卒業、バーミンガム大学大学院古代史・考古学学科エジプト学専攻修了、関西大学大学院博士課程修了。博士(西洋史)。著書『古代エジプト文化の形成と拡散――ナイル世界と東地中海世界』(ミネルヴァ書房、2003年)、『ヨーロッパ史への扉』(共著、晃陽書房、2006年)など。海外での発掘経験多数あり。
内容説明
「最初の」古代エジプト文明はどのように発展したのか。さまざまな考古・文献資料、豊富な発掘経験をもとに謎に包まれた過渡期の歴史的再構成を試みる。
目次
序章 エジプト統一王朝への道のり
第1章 神話と物質文化から見た古代エジプト統一王朝の出現過程
第2章 王名から見る初期王朝時代のエジプト―ジェル王の木製ラベルの新解釈
第3章 古代エジプト文化の揺籃期について―外来要素の流入とその中断期からの一考察
第4章 古代エジプト文化形成期の一側面―前期青銅器時代パレスティナにおける古代エジプト文化の影響について
第5章 古代エジプト初期王朝時代における仲介都市アラドの役割―銅を媒介としたエジプト交易システムの功罪
第6章 古代エジプト文化形成期とシナイ半島との交流について―銅・マラカイト・トルコ石を中心に
第7章 エジプト西方砂漠とオシリス神話―最後のフロンティア
終章 古代エジプト初期王朝時代のイメージ
著者等紹介
大城道則[オオシロミチノリ]
1968年兵庫県尼崎市に生まれる。1992年関西大学文学部史学・地理学科西洋史専修卒業。1994年関西大学大学院文学研究科史学専攻博士課程前期修了。1997年英国バーミンガム大学大学院古代史・考古学科エジプト学専攻修了。2001年博士(文学)学位取得。花園大学文学部非常勤講師、関西大学文学部非常勤講師、駒澤大学文学部専任講師等を経て、駒澤大学文学部歴史学科准教授。研究活動:2005年よりエジプト・カルガ・オアシス学術調査参加。2001年よりシリア・パルミラ学術調査参加(橿原考古学研究所)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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