出版社内容情報
貝塚爽平『東京の自然史』(講談社学術文庫)は、地震による地殻変動、氷期と間氷期の海水面変化、火山灰の堆積、河川による砂礫の堆積など、地質年代第四紀以降100万年のスパンで東京の形成過程と江戸以来の開発による地形変化を解明した名著として知られ、初版刊行から60年を経た今も読み継がれている。過密集住の東京に大災害が起こる確率が高まっているとの予測があるなかで、土地の地形や地質を理解することが災害対策にも有用であり、この名著を現代の視点でわかりやすく?み砕いて実践的な知恵につなげていくことが求められている。本書はカラー図版をふんだんに紹介しながら、地形・地質レベルで東京の成り立ちをわかりやすく説明。散歩ガイド・災害マップとしても活用でき、東京の新たな見方・歩き方を発見することのできる一冊。
【目次】
はじめに 貝塚先生と地形学
Ⅰ 東京の地形概観
一 東京との範囲と地形
二 関東の地形
Ⅱ 武蔵野台地の土地と水
一 武蔵野台地の地形概観
二 東京都心部の地形(その一)
三 東京都心部の地形(その二)
四 武蔵野台地中・西部
五 武蔵野台地の地形の話題あれこれ
Ⅲ 東京低地の変遷
一 低地の微地形と歴史時代の変化
二 東京低地の河川と多摩川
三 東京低地の災害
Ⅳ 第四紀の環境変化と東京
一 第四紀と環境変化
二 更新世の東京
三 完新世の東京
Ⅴ 巡検案内と博物館
一 台地の地形を歩く
二 低地の地形を歩く
三 博物館
おわりに
文献リスト
初出一覧
索引
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- 良源 人物叢書(新装版)