「知の再発見」双書
ダリ―シュルレアリスムを超えて

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  • サイズ B6判/ページ数 158p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784422211909
  • NDC分類 723.36
  • Cコード C0371

目次

第1章 カタルニアでの少年時代
第2章 ダリ、ロルカ、ブニュエル
第3章 オートマティスムに対抗する偏執狂的実験
第4章 『大自慰者』から『ナルシスの変身』へ
第5章 社交界と装飾・オブジェ・建築
第6章 古典主義に立ちもどった「ドル亡者」
資料篇

著者等紹介

ガイユマン,ジャン=ルイ[ガイユマン,ジャンルイ][Gaillemin,Jean‐Louis]
美術史家。パリ第4大学(ソルボンヌ)助教授。複数の美術雑誌の創刊者で、多数の国際雑誌にも寄稿している

伊藤俊治[イトウトシハル]
1953年生まれ。東京大学文学部美術史科学科卒。東京芸術大学先端芸術表現科教授。美術史・写真史にとどまらず、その活動の場は視覚芸術全般から、テクノロジー論や身体論にまで及ぶ

遠藤ゆかり[エンドウユカリ]
1971年生まれ。上智大学文学部フランス文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ぐうぐう

23
『ダリ展』を踏まえて、ダリへの理解を深めようと予習の意味も込めて読了。ダリの生涯、というよりも、画家としての変遷を、多くの図版を引用して紹介している。図版を掲載し、脚注として絵の解説がその隣に載っているので、作品に対する読みが容易だ。ただ、シュルレアリスムを中心とする美術史の基本的な流れを把握していないと、やや難解ではある。とはいえ、本書を読んでいて痛感するのは、芸術を支配することは、いかなる偉大な芸術家であろうと不可能なのだということだ。(つづく)2016/07/01

A.T

20
少年時代、美術学校時代からシュールリアリズム絵画、家具や写真、オブジェまで作品世界を広げた作風の遍歴を年代を追って解説。美術学校では教師に失望して退学したが、同窓ガルシア・ロルカに出会いシュールリアリズムに目覚める。なんとロルカに次いでルイス・ブニュエルとも出会う‼︎ 教師に失望してもこれだけの同窓に出会えれば退学しなくとも。。。出会いの連続とそれに合わせて作風の発展がダリの才能か。2019/07/03

またの名

10
きわめて奔放な美術学校の女子学生とダリとの三人で肉体関係を持とうとした同性愛者の友人ロルカが、ダリに拒まれたので目の前で女子学生と事に及んだ体験は、確かにトラウマもの。画家が描く無意識の錯乱したイメージの中に渦巻く性の禍々しい主題がこうした原体験にあると匂わせつつ、露骨な俗流精神分析ごっこはしない解説。とはいっても本人が唱えた偏執狂的実験は特殊個人的な例外を自称せず、パラノイアが人間の根本にあるとするラカンと考えを同じくすると主張し、客観的で普遍的なものとして呈示される。寸断された身体とはまさにダリの絵。2017/05/27

キャモメ

5
クルッとした細い髭がトレードマークのサルバドール・ダリ。この人の描く絵(大自慰者のような不思議な顔面のような自画像や、柔らかい時計など)に興味があって、この本を読んでみた。ちょっと著者の印象や意見が強い一冊かなと。いろんな視点から改めてダリの生涯を見る必要があると感じた。2018/02/07

あくび虫

5
ダリってまともな人だったんだ! と失礼な感想を持ちました(笑) これまで、グロテスクな絵を描く変人、という印象しか持っていませんでした。しかし実際には、その「グロテスク」の中に理由があり、意味があるのですね。知識がなければわからない、というのは大抵の絵画に言えることですが、歴史画はインテリなら説明不要でしょう。大してダリのような絵は、誰にとっても説明が不可欠なものです。そんなところに、ある種の現代性のようなものを感じました。――それと、活躍の多様さが驚きでした。なによりも、人間性が興味深いです。2016/08/16

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