出版社内容情報
【解説】
発明家としての顔,軍事技師の顔,医師としての顔。そして,古代ギリシア以来の自然哲学者の顔など,ダ・ヴィンチの生涯は謎に包まれている。多面的な天才の素顔に挑む。
内容説明
多面的な天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの姿を紹介するのは、容易なことではない。ともすればさまざまな面をただ羅列するに終るおそれがあるからだ。本書では、彼の生涯を辿ることをひとつの筋道にするとともに、彼自身の手稿の言葉と数多い素描を的確に選び出して配することによって、その謎めいた人間像と卓越した業績を伝えている。
目次
第1章 彼はかつてヴィンチ村にいた
第2章 メディチ家が支配するフィレンツェで
第3章 スフォルツァ家が支配するミラノで
第4章 芸術と戦争
第5章 ミラノ、ローマ、アンボワーズ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
7
レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯を時系列順に。呆れるほど様々な分野に手を出しているのを見るととにかくバイタリティに全振りした人だったのだと思える。これはダ・ヴィンチというひとつの分野と認識して腰を据えて取り組まないとだめだな。簡単に生涯を追うだけでは到底把握できない。2017/10/06
中島直人
6
(図書館)レオナルド・ダ・ヴィンチ大好きオタクによる礼賛記。その偉大さ、素晴らしさが、自由自在に語られる。2022/12/24
えふのらん
3
ヘリコプターのスケッチが有名になりすぎてオカルト界隈でもそれなりに知られているのだが、そういう誤解を招いてもおかしくないほど手広くやっていた人だということがよくわかる。絵の具を開発するために錬金術に手を染め、大砲を改良し機関銃を開発し、果ては戦車や飛行機のスケッチまで書いてしまう。仕えた主人も様々で、縁の深いフィレンツェではメディチ家、次はボルジア配下のヴェネツィア、時には海の向こうのオスマン・トルコにまですり寄って仕事を求める。2018/03/24
Kosuke Hada
2
ダヴィンチの絵画やデッサンを交えた伝記。ダヴィンチは意外とお金のために友を殺した相手の下で働くなど、天才であっても人間なんだと親しみを覚えた。しかし、絵画や発明の説明を読む限りやはり常人ではないなと感じた。あと芸術に興味が無かったが、これから勉強しようと思えた本でした。2015/05/10
真田 光
2
2012年にBunkamuraで行われたレオナルド・ダ・ヴィンチの特別展のキュレーターであり、長年レオナルド研究に関わってきたヴェッツォージ氏による伝記。豊富な図版によるレオナルドの生涯と、"「万能の天才」の真実"と題して「いわゆる『ダ・ヴィンチ神話』の本当のところはどうだったのか」を記する資料編とに分かれている。「私の孫は夜の3時に生まれた」というレオナルドの祖父の手記が残っているそうだが、市井の人間の出生時間がわかるのは、当時としては珍しいことではないだろうか?2015/01/13