出版社内容情報
【解説】
古い恐竜像に大幅な変更をもたらした最新学説を解説した恐竜入門書の決定版。古生物学者と共同作業する「恐竜画家」達の美しい絵画で,恐竜たちの真実の姿がよみがえる。
目次
第1章 恐竜の時代
第2章 恐竜発掘史
第3章 恐竜はどんな生物だったのか
第4章 最新恐竜学
第5章 恐竜の絶滅
資料篇(さまざまな恐竜たち;恐竜の分類表;恐竜の調査;子育て恐竜マイア発掘記;化石―地球の歴史の標識;化石と大陸移動説;なぜ恐竜は絶滅したのか;恐竜の骨細胞は語る;日本の恐竜;人類創造以前の世界)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
10
「知の再発見」、古書から。原作が1989年刊行なので、いろいろ情報は古い。でも、事態を遡って恐竜発見のあれこれをまとめたこの本、ビジュアル的にも面白かった。恐竜絶滅に関して、隕石跡が発見されたのまだいろいろ迷っていた時代なんだね。書かれた内容が、複数の執筆者のせいかばらついているのが面白いかな。化石発掘の苦労話や、日本の化石探査の最前線の話、そしてフィクションに描かれた恐竜の話。いいね、これ。2017/05/06
misui
3
「…この地球に生命が誕生して以来人間が目にしえた、あるいは復元しえたすべての動物に関する解剖学的な資料が、地下鉄のオステルリッツ駅からほど近い、ビュフォン通り沿いのジャルダン・デ・プラント(植物園)に集められた。オステルリッツは、起伏の激しい山々が発作をおこしたような悪夢の駅だ。自然史博物館がそばにあるせいか、生き物を飲み込んだ地球が化石や骨を消化できずに痙攣を起こしているところを連想させる。2017/11/21
トーマス
2
1992年発行なので最新の知識を得るには相応しくない。恐竜が鳥類に進化したことは、胎児の指の形成から証明済であるが、本書では提議されているに過ぎない。一方、恐竜(1841年R.オーエンによって命名。デイノス:恐ろしい サウロス:トカゲ/爬虫類)発掘の歴史がよくまとめられているので便利ではある。また、重要な提議として、よく似た恐竜の差をどうみるか。1)固体変異。2)性的二形。3)成長差。4)同属異種。5)種を超えて収斂進化したか。近年トリケラトプスはトロサウルスの幼生とみなされている事からも興味深い。2012/01/08
田蛙澄
1
いささか古い本だが、恐竜への興味がリバイバルしたので読んでみた。さすがに原書が1989年なので、その後のアパトサウルスとブロントサウルスの再統合の話とか、フタバスズキリュウの命名の話とかは出ていない。しかし恐竜の発掘の歴史とかは知らないことが多かったのでとても面白かった。また、恐竜が恒温動物か変温動物かの議論も興味深い、この辺りはまだ決着がついてないらしい。慣性恒温動物という概念は初めて知った。できればその内新しめの本を読んで情報を更新したいところ。2018/07/17