出版社内容情報
ローマ・カトリック世界を中心に、修道制の原初から中世の興隆、近代のイエズス会の活動までをみる待望の通史。
古代エジプトの隠遁生活に起源をもち、現代まで脈々と受け継がれてきた修道制。修道士たちは俗世から離れて共同生活のなかに神を希求する一方、写本による学問の継承、糧を得るための生産活動、女子修道院や騎士修道会の創設、海外宣教など、西欧社会に大きな影響を与えてきた。本書ではローマ・カトリック世界を中心に、その原初から近代のイエズス会の活動までを通観する。キリスト教文化をより深く理解するうえで必読の一冊。
はじめに
第1章 修道院のおこりと西欧への伝播
1 最初の修道士アントニオスと弟子たちの集まり
2 共住生活の成立
3 修道制の西方への伝播
4 アウグスティヌスと修道院
第2章 ベネディクトゥスの『戒律』の成立と西欧への定着
1 ヌルシアのベネディクトゥスの生涯
2 『戒律』の成立と内容
3 『戒律』の伝播。混淆戒律の時代
第3章 『戒律』の定着と中世修道院文化の萌芽
1 カロリング朝フランク王国の教会政策
2 祈祷者としての修道士
3 書物
4 修道院建築
第4章 クリュニー修道院の成立と発展
1 神聖な空間の成立
2 クリュニーの修道院慣習律の編纂と儀礼
3 第九代修道院長尊者ピエール
第5章 シトー修道院の改革
1 シトー修道院の創立
2 クレルヴォー修道院長ベルナール
3 ベルナールの求めた美
第6章 ラ・グランド・シャルトルーズ修道院の「大いなる沈黙」
1 ブルノによるラ・グランド・シャルトルーズ修道院の創立
2 『シャルトルーズ修道院慣習律』
3 修道会としての発展
第7章 社会活動へ向かう修道院
1 遍歴説教者 アルブリッセルのロベールの場合
2 律修参事会
3 騎士修道会
第8章 托鉢修道会
1 フランシスコ会「小さき兄弟会」
2 ドミニコ会「説教者修道会」
第9章 ルネサンス、宗教改革、そして近代へ
1 修道院とルネサンス
2 宗教改革と修道院
参考文献
索引
【著者紹介】
杉崎泰一郎(すぎさき・たいいちろう) 中央大学文学部教授、博士(史学)。1959年生まれ。上智大学文学部史学科卒業、同大学院博士後期課程修了。著書:『12世紀の修道院と社会 改訂版』(原書房)、『ヨーロッパ中世の修道院文化』(NHK出版)のほか論文多数。
内容説明
古代エジプトの隠遁生活に始まり、現代まで脈々と受け継がれてきた修道士たちの営み。彼らは俗世から離れて共同生活のなかに神を希求する一方、学問の継承、糧を得るための生産活動、女子修道院や騎士修道会の創設など、西欧社会に大きな影響を与えてきた。本書ではローマ・カトリック世界を中心に、その原初から近代のイエズス会の活動までを辿り、歴史の中に現れた多様な修道院のかたちを明らかにする。
目次
第1章 修道院のおこりと西欧への伝播
第2章 ベネディクトゥスの『戒律』の成立と西欧への定着
第3章 『戒律』の定着と中世修道院文化の萌芽
第4章 クリュニー修道院の成立と発展
第5章 シトー修道院の改革
第6章 ラ・グランド・シャルトルーズ修道院の「大いなる沈黙」
第7章 社会活動へ向かう修道院
第8章 托鉢修道会
第9章 ルネサンス、宗教改革、そして近代へ
著者等紹介
杉崎泰一郎[スギザキタイイチロウ]
1959年東京都生まれ。上智大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。藤女子短期大学一般教育助教授等を経て、中央大学文学部教授。博士(史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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