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出版社内容情報
思いがけない事故や犯罪、災害との遭遇、また虐待やDVなどによるトラウマティックな体験で苦しむ人たちが、おびただしい数存在する。しかし、わが国にはトラウマやPTSD 患者を治療する医療資源がまだまだ不十分であり、科学的根拠に基づくケアはさらに少ない。
患者には、過ぎ去ったはずの出来事が、今まさに起こっていることのように再体験され、それによって苦しめられつづけるのがPTSDの症状である。患者は、トラウマに関連する場所や刺激を回避するため、生活が非常に制限される。さらに、意識上でも身体上でも、危険に対する最大限の警戒態勢を保っているため、つねに緊張し、覚醒亢進し、目の前の物事に集中するのが困難になる。
本書は、エビデンスの認められている認知行動療法の一種であり、トラウマ・PTSDの対応に特化した心理療法「認知処理療法(CPT)」についての本邦初の包括的な手引き書の第2版である。その基本的な考え方から、実施の仕方まで、じつに丁寧かつ詳細に解説されている。
また、好評だった第1版を改訂した今回の第2版では、新たに「認知的事例概念化」の章を設ける、LGBTQIA+などの新たなトピックを取り上げる、もともと1つだった章を2~3の章に分けてセッションごとに独立した章にするなど、臨床場面でより活用しやすいものになっている。
第Ⅰ部では治療法成立の起源から研究の状況を概観すると共に、臨床実践に先立って必要なことを詳しく解説する。第Ⅱ部では、12回のセッションそれぞれの目標と手順を述べた後、すぐに使えるシートや具体的な配布資料、その記入例などと共に具体的な進め方を詳細に解説し、ふり返りや話し合いを経て、伝えるべきことや練習課題を示す。第Ⅲ部ではさまざまなかたちのCPTや集団CPTについて解説し、トラウマの種類や個人要因による特有の問題・トピックについても考察する。
認知処理療法は様々な背景を持つ人のPTSDへの心理療法として有効性と安全性の科学的な検証結果が多数報告され、多くの診療ガイドラインで第一選択のひとつとして推奨されている。
トラウマへの臨床上の重要性が高まり、診療報酬の対象となるなど、日本の臨床現場で今、認知処理療法を広く実践することが求められている。本書はその現場に、強力な医療資源を提供することになるだろう。
【目次】
日本版刊行によせて
日本版 第2版刊行によせて
監修者のことば
第Ⅰ部 心的外傷後ストレス症と認知処理療法の背景
第1章 認知処理療法の起源
第2章 CPTの研究
第3章 開始前に考慮すること
第4章 認知的事例概念化
第5章 CPTをとどける準備をする
第Ⅱ部 CPTマニュアル
第6章 セッション1:PTSDとCPTの概要
第7章 セッション2:出来事の意味筆記
第8章 セッション3:ABC用紙
第9章 セッション4:インデックスイベントの処理
第10章 セッション5:考え直しの質問
第11章 セッション6:思考パターン
第12章 セッション7:新しい考え用紙
第13章 セッション8:安全のテーマ
第14章 セッション9:信頼のテーマ
第15章 セッション10:力とコントロールのテーマ
第16章 セッション11:価値のテーマ
第17章 セッション12:親密さのテーマ、将来に目を向ける
第Ⅲ部 さまざまな実施法と特に考慮すること
第18章 さまざまなCPT
第19章 集団CPT
第20章 多様性と個別性に取り組む
付 録
訳者あとがき
用語解説
文 献
索 引
内容説明
災害、事故、虐待、犯罪、暴力etc…悲惨な体験をし苦しんでいる人たちのために臨床家ができること。トラウマ処理のための基本的な考え方から実施の仕方まで、具体的かつ丁寧に紹介した実践家のための書。好評の第1版に新しい内容を加え、全体をより活用しやすく整理し直すなど、さらに充実させた改訂版。
目次
第1部 心的外傷後ストレス症と認知処理療法の背景(認知処理療法の起源;CPTの研究;開始前に考慮すること;認知的事例概念化;CPTをとどける準備をする)
第2部 CPTマニュアル(セッション1:PTSDとCPTの概要;セッション2:出来事の意味筆記;セッション3:ABC用紙;セッション4:インデックスイベントの処理;セッション5:考え直しの質問;セッション6:思考パターン;セッション7:新しい考え用紙;セッション8:安全のテーマ;セッション9:信頼のテーマ;セッション10:力とコントロールのテーマ;セッション11:価値のテーマ;セッション12:親密さのテーマ、将来に目を向ける)
第3部 さまざまな実施法と特に考慮すること(さまざまなCPT;集団CPT;多様性と個別性に取り組む)
著者等紹介
リーシック,パトリシア・A.[リーシック,パトリシアA.] [Resick,Patricia A.]
デューク大学医学部精神医学・行動科学名誉教授。ミズーリ・セントルイス大学にトラウマ回復センターを創設し寄付講座教授を務める。在籍当時、1988年に認知処理療法(CPT)を開発。10年にわたり、米国の国立PTSDセンター女性の健康科学部門長を務めた。一般市民や現役軍人を対象としたCPTのランダム化比較試験を多く実施。国際トラウマティック・ストレス学会(ISTSS)および米国行動認知療法学会(ABCT)の理事長を歴任。研究やメンターシップへの多数の受賞歴があり、米国心理学会第56分科会(トラウマ心理学)、ISTSS、ABCTから障害功労賞を受賞
マンソン,キャンディス・M.[マンソン,キャンディスM.] [Monson,Candice M.]
カナダ、オンタリオ州トロントのトロント州立大学心理学教授。米国およびカナダ心理学会、カナダ王立協会フェロー。カナダ心理学会から年間トラウマ心理学者賞を、国際トラウマティック・ストレス学会から卓越指導者賞を受賞。トラウマの悪化における対人関係要因の研究や、認知処理療法や認知行動合同療法といったPTSD治療の開発・検証・普及で著名
チャード,キャスリーン・M.[チャード,キャスリーンM.] [Chard,Kathleen M.]
シンシナティ退役軍人局(VA)医療センター研究室准主任、シンシナティ大学精神医学・行動神経科学教授。米国全土のVAにおける臨床家に対するCPTの普及を監督。CPT訓練インスティチュート所長。VAから卓越した臨床技術に対してマーク・ウォルコット賞を、米軍慰問団から軍医療におけるヒーロー賞を受賞。一般市民、緊急対応要員、退役軍人に対するエビデンスに基づくトラウマ治療の普及と臨床応用に関する研究で広く知られる。性的虐待に対するCPTの治療マニュアルを執筆
伊藤正哉[イトウマサヤ]
国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター研究開発部長、筑波大学人間系教授(連携大学院)、早稲田大学大学院人間科学研究科客員教授。筑波大学大学院人間総合科学研究科 ヒューマン・ケア科学専攻 発達臨床心理学分野博士課程、ヨーク大学心理学部心理療法研究センター客員研究員、コロンビア大学社会福祉学部客員研究員、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 成人精神保健研究部、日本学術振興会特別研究員PDなどを経て、現職。博士(心理学)。臨床心理士
堀越勝[ホリコシマサル]
武蔵野大学人間科学部客員教授、名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野客員教授。米国のバイオラ大学で臨床心理学博士を取得、マサチューセッツ州のクリニカルサイコロジストのライセンスを取得。ハーバード大学医学部精神科においてポストドクおよび上席研究員として、ケンブリッジ病院の行動医学プログラム、マサチューセッツ総合病院・マクレーン病院の強迫性障害研究所、サイバーメディシン研究所などで臨床と研究を行う。専門:行動医学、臨床心理学。2001年に帰国し、、筑波大学大学院人間総合科学研究科(講師)、駿河台大学心理学部(教授)、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長、同特命部長を経て現職。臨床心理士、公認心理師
高岸百合子[タカギシユリコ]
一般社団法人CPT-Japan
蟹江絢子[カニエアヤコ]
東京大学医学部附属病院、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター客員研究
片柳章子[カタヤナギアキコ]
東洋大学社会学部社会心理学科(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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