出版社内容情報
個々の発達や主体のあり方が多彩なスペクトラムを描く、この時代において、ユング派心理療法はいかなるアドバンテージを有するのか。また、日本人の精神性にフィットする心理療法とはいかなるものか。現代のユング派を代表する分析家ギーゲリッヒの理論をスプリングボードとして、その優れて臨床的・実践的な側面とともに、限界点を明らかにしながら、これからのユング派心理療法の進むべき方向性を提示する。
【目次】
目次
はじめに
第1章 ギーゲリッヒの臨床とユング派心理療法の未来 河合俊雄
1.ユング派心理療法の現在とギーゲリッヒ
2.ギーゲリッヒの心理学と臨床
3.心理学的見方
4.内面性
5.セマンティクスとシンタクティクス
6.弁証法的見方
7.「心的」と「心理学的」の区別
8.意識の歴史的・個人的発達
9.神経症
10.危機と病理
11.セラピストの態度とコミット
第2章 「心理学的なもの」と「心的なもの」――その鑑別と今日的展開 田中康裕
1.心理療法における「二つの対象」
2.ギーゲリッヒの「心理学的差異」の概念
3.ギーゲリッヒの発達論における「三つの誕生」
4.ギーゲリッヒの治療論における「鑑別診断」
5.ギーゲリッヒの神経症論における「四つの神経症」
6.「人生前半の神経症」と「人生後半の神経症」
7.神経症ではない「神経症」
8.日本における「非-神経症的な心理学的障害」
9.「非-神経症的な心理学的障害」の臨床
10.おわりに
第3章 イメージの内面性へのアプローチとこころの古層 河合俊雄
1.ユングとイメージの内面性
2.前近代の世界と内面性
3.内面性の技法
4.内面性と結合
5.内面性の限界
6.内面的アプローチの例
7.イメージの直接性とこころの古層
第4章 事例検討とディスカッション 河合俊雄・田中康裕
1.震災を経験した30代女性の事例
2.留年を繰り返し来談した大学生の事例
3.全体ディスカッション
第5章 イメージを「第一のもの」とする心理療法――西洋的「内面性」から東洋的「内包性」へ 田中康裕
1.「こころ」とは何か?
2.心理療法の本質としての「非直接性」
3.「第三のもの」としてのイメージ
4.心理療法における「第三のもの」の喪失
5.イメージを「第一のもの」とする心理療法
6.狭い「リフレクション」のループからの解放
7.「死体(テキスト)」でない夢
8.「イメージの心理療法」のもつ今日的アドバンテージ
註および文献
人名索引
事項索引
おわりに



