出版社内容情報
本書は、スピリチュアルケアの多様性と日常性に焦点を当てる。スピリチュアルケアとは、決められた場所や時間のみに行われる特別なものではなく、何気ない会話やかかわりなどの中で日々実践されているものであり、あらゆる臨床の中に核として存在しているものである。スピリチュアルケアが当たり前の存在として日々多様にゆたかに実践されること、社会において日常的に受容されることが重要である。
本書では、こうしたスピリチュアリティ・スピリチュアルケアの普遍的な意義について明らかにするために、心理・医療・宗教など様々な分野の専門家がそれぞれの経験や知見を踏まえて自らの言葉で語る。
【目次】
本書によせて・・・島薗 進
第1章 すべての臨床の核となるスピリチュアルケア・・・大村哲夫
非臨床家から見たスピリチュアルケア・・・堀江宗正
スピリチュアルケアの「何」から「なぜ」へ・・・ベネディクト・ティモシー
出会いのときを求めて・・・佐藤仁美
第2章 たましいの本質をスピリチュアルケアから考える・・・松田真理子
頭(こうべ)を垂れて、頭(こうべ)を上げて・・・三村 將
私の視座から見たスピリチュアリティ・・・倉光 修
ある母親面接をきっかけにして・・・日永田美奈子
第3章 精神科医の究極の役割としてのスピリチュアルケア・・・井原 裕
生命の根源を求める旅・・・窪寺俊之
使徒とスピリチュアルケア――キリスト教人間学の立場から・・・濱田秀伯
子どもたちのスピリチュアルペインと再生への物語・・・三浦亜子
第4章 心理臨床におけるスピリチュアリティと祈り・・・橋本朋広
スピリチュアルな感覚に導かれて・・・宗田美名子
手 紙・・・福村文生
スピリチュアルな次元の問いへの私の取り組み・・・佐々木奘堂
第5章 医師の苦悩とスピリチュアリティ・・・岸本寛史
スピリチュアルケアが息づく(腎臓)内科の現場から・・・石橋由孝
星が瞬くとき――余白の臨床・・・浜田雅子
スピリチュアルケアが必要とされる場の再確認・・・伊藤高章
第6章 自己探求カウンセリングとスピリチュアリティ――「空虚への叫び」からの出立・・・諸富祥彦
阪神淡路大震災の経験から考えるスピリチュアルケア・・・黒川雅代子
オンラインでの傾聴とスーパーヴィジョン・・・葛西賢太
スピリチュアルケアと魂のケア・・・藤見幸雄
おわりに・・・瀧口俊子