出版社内容情報
カウンセラーによる「自己開示」とは、どんな意味を持つ行為だろうか。それは相談者やカウンセラー自身、両者の関係や援助の過程にどんな影響を及ぼすのだろうか。本書は、カウンセラーの自己開示についての国内外の様々な知見を、著者自身の研究と実践の軌跡も踏まえながら紹介する実践書である。日々悩みながら奮闘する援助者にとって、自身の実践を振り返り明日からの仕事の見通しを得るための羅針盤として役立つ一冊。
第1章では、カウンセラーの自己開示が禁忌とする意見もあるなかで、なぜカウンセラーの自己開示が気になるのかについて解説する。
第2章では自己開示の効果を論じる前におさえておかなければならない点について説明し、第3章ではカウンセラーの自己開示の効果に関する様々な知見と著者自身が行ってきた研究の成果を紹介する。
第4章では自己開示のリスクについて、第5章では自己開示の現代的課題について説明する。
【目次】
序 章 航海のはじめに
第1章 自己開示がなぜ気になるのか――自己開示研究の歴史
1 自己開示するから仲良くなる――対人コミュニケーションとしての自己開示
2 相談者が自己開示できることには良い効果がある
3 カウンセリング場面で禁忌とされた「カウンセラーの自己開示」
4 なぜ「カウンセラーの自己開示」が気になるのか――カウンセラーになるに至った想い
第2章 カウンセリングのプロセスと自己開示
――『Helping Skills』のカウンセリング心理学
1 カウンセラーの自己開示に関する新しい視点――これまでの研究で触れてこなかったこと
2 カウンセリングのプロセスに影響を与える要因
3 カウンセリング・スキルを選ぶまでの流れ
4 援助の三段階モデル――段階ごとに目標が違う
第3章 カウンセラーの自己開示の効果
――研究からみえてきたこと
1 海外の研究で明らかになった効果――欧米における自己開示研究
2 カウンセラーが自己開示すると何が起きたのか――著者の研究結果
3 カウンセラーの自己開示研究のこれから
第4章 カウンセラーの自己開示の「影」
――「日常」と「非日常」の大切さ
1 自己開示研究のなかで明らかになっているリスク
2 非日常性を奪うリスク
3 訂正できないリスク
4 意図しない自己開示
第5章 カウンセラーの自己開示をめぐる現代的課題
――ホームページのプロフィールに何を掲載するのか
1 自己開示を怖がるカウンセラー
2 ホームページ上の自己開示
終 章 航海の終わりに
引用文献
索 引
内容説明
カウンセラーによる「自己開示」とは、どんな意味を持つ行為だろうか。それは相談者やカウンセラー自身、両者の関係や援助の過程にどんな影響を及ぼすのだろうか。本書は、カウンセラーの自己開示についての国内外の様々な知見を、著者自身の研究と実践の軌跡も踏まえながら紹介する実践書である。
目次
序章 航海のはじめに
第1章 自己開示がなぜ気になるのか―自己開示研究の歴史
第2章 カウンセリングのプロセスと自己開示―『Helping Skills』のカウンセリング心理学
第3章 カウンセラーの自己開示の効果―研究からみえてきたこと
第4章 カウンセラーの自己開示の「影」―「日常」と「非日常」の大切さ
第5章 カウンセラーの自己開示をめぐる現代的課題―ホームページのプロフィールに何を掲載するのか
終章 航海の終わりに
著者等紹介
田中健史朗[タナカケンシロウ]
1987年生まれ。博士(心理学)。公認心理師・臨床心理士。2015年、名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2016年より山梨大学教育学部准教授。2015年度日本カウンセリング学会奨励賞。2023年度日本心理臨床学会奨励賞。専門はカウンセリング心理学、スクールカウンセリング、コミュニケーションスキル。山梨県臨床心理士会副会長、同会学校臨床心理士委員会委員長、山梨県立学校いじめ問題対策委員会会長、甲府市不登校総合対策検討委員会委員長、北杜市いじめ問題連絡協議会会長、山梨県青少年問題協議会委員、山梨県ひきこもり支援有識者会議委員等を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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