出版社内容情報
オーソドックスな心理療法が通用しやすい意識構造を持っている「二」の意識と、現代的意識あるいは発達障害的な意識ともいえる「非二」の意識があることを前提に、まず「非二」の意識についての治療論を展開する。つづいて、「非二」と「二」の例として、子どものプレイセラピーおよび成人の事例を挙げ、それぞれの個別性を考察する。最後に個別的な事例を総合的に検討し、「二の世界」「非二の世界」の普遍性を見出していく。
目次
第1部 理論(現代の意識と「非二」;従来の理論と「非二の意識」;「非二」の治療論)
第2部 事例(事例A:自閉性障害の3歳男児とのプレイセラピー(非二・自閉症)
事例B:母子分離できない5歳女児とのプレイセラピー(二・分離困難)
事例C:摂食障害の10代女性との面接(非二・摂食障害)
事例D:解離傾向の20代女性との面接(非二・解離傾向)
事例E:アスペルガー障害の10代男子との面接(非二・アスペルガー障害)
事例F:離人感のある10代女性との面接(二・離人感)
事例G:強迫症状のある20代女性との面接(二・確認脅迫))
第3部 考察(「二」の事例・「非二」の事例の分析と考察;「非二」における「二」の現れ;錬金術と現代の意識―傷・暴力・かなしみをめぐって;現代の意識と心理療法)
著者等紹介
橋本尚子[ハシモトナオコ]
1968年生まれ。京都大学大学院教育学研究科臨床教育学博士後期課程研究指導認定退学。現在、天理大学人間学部准教授。京都大学博士(教育学)。公認心理師、臨床心理士。専門はユング心理学、心理療法、臨床心理学(母子の発達援助、プレイセラピー、スクールカウンセリング、学生相談など)。2015年日本箱庭療法学会河合隼雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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