出版社内容情報
本書は、心理療法の過程で、クライエントの心理的テーマが夢にどのように現れ、その夢はどのように変容していくのか、夢の構造に着目して行った研究である。臨床事例研究の分析、非臨床群への質問紙調査、著名な臨床家らの文献研究などを通し、日本とドイツという異文化間の事例の文化差と、さまざまな年代の事例の時代差を検討。心理療法過程に出現する典型的な夢の構造パターンや、日本人の夢の一貫した特徴をあぶり出している。
内容説明
“夢を通して起こる心の変容のプロセス”“夢の構造パターン”“日本人の夢の特徴”臨床事例研究の分析、非臨床群への質問紙調査、著名な臨床家らの文献研究などを通し、心理療法場面で生じる夢について、その臨床的意味を実証研究に基づき論じる。
目次
第1章 心理臨床場面における夢の用いられ方―諸学派の理論の比較から
第2章 夢の構造分析を用いた日本人の夢と西洋人の夢の比較の試み
第3章 夢分析を用いた日本の事例についての夢の構造の特徴に関する検討
第4章 夢見手の自己感の様相と夢の構造の関連
第5章 心理療法過程で生じる夢の中の他者、物、場所の役割
第6章 ドイツの事例と日本の事例の夢の構造に関する比較
第7章 日本の事例の特徴と示唆された夢の構造に関する検討―夢の私が対象を見ている状況・対象主導の夢の私への友好的な働きかけ
終章 心理療法過程で生じる夢の意味
著者等紹介
粉川尚枝[コナカワヒサエ]
1990年生まれ。京都大学教育学部を卒業し、2018年に京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。臨床心理士・公認心理師。現在、京都大学こころの未来研究センター特定研究員。専門は臨床心理学、心理療法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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