出版社内容情報
いかに経験豊かな分析家でも、クライエントの防衛に取り込まれて「ナルシシスティックな対象関係」の一部となり、困窮して、治療の行き詰まりを迎えてしまうことがある。その局面をいかに乗り超えるか? ―― 難治例(重症ナルシシズム、ボーダーライン、倒錯など)の進展を描きながら、“こころの変化: Psychic Change”の理論&技法を重層的にディスカッションする。――精神分析クライン派の重鎮ベティ・ジョセフを囲んでの錚々たるメンバーによる、類い稀な治療論。
内容説明
経験豊かな分析家でも、防衛組織に取り込まれ、ナルシシスティックな対象関係の一部となり、困窮し、治療の行き詰まりを迎える。その局面をいかに乗り超えるか?―難治例(重症ナルシシズム、ボーダーライン、倒錯など)の進展を描きながら、“こころの変化”の理論&技法を総合ディスカッション―みずからの“生”が生きられるために。
目次
心的変化を支持すること―ベティ・ジョセフ
コンテインメント、エナクトメント、コミュニケーション
誰が誰なのか?―病理的同一化についての覚書
分析と日常生活における自己満足
風景を定位すること―転移解釈のレベル
ある殺人空想とそれがもたらしたもの
麻痺状態への耽溺―ナルシシスティックなフェティッシュの分析
学ぶことの理論を超えて
語ることで事態は生じる―臨床状況における患者の話すことの効用に関する理解への貢献
フランケンシュタインとの投影同一化―心的限界に関する問い〔ほか〕
著者等紹介
松木邦裕[マツキクニヒロ]
1950年、佐賀県生まれ。1975年、熊本大学医学部卒業。1999年、精神分析個人開業。2009‐2012年、日本精神分析学会会長。2009‐2016年、京都大学大学院教育学研究科教授。日本精神分析協会正会員、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。