出版社内容情報
発達障害へのさまざまな取り組みを語った講演をベースにした、好評シリーズ最終巻。発達障害への取り組みの「明日」を語ります。
発達障害へのアプローチはたいへん多様で、色々な考え方にそれぞれの関わり方が伴ってきます。そしてそれらの背景には、人間観や社会観もからんで、とても奥深いものです。本書は、こうした多様性を盛り込んだ講演を編纂した好評シリーズの最終巻となります。そこで、総まとめとして「これまでの支援と共生の試みを次の社会にどう活かしていくか」という視点で、視野を広げて、発達障害への取り組みの「明日」を語ります。
はじめに
第一講 これからの発達障害を考える (滝川 一廣)
第二講 LDの明日を語る
――発達障害と特別支援教育のなかで (上野 一彦)
第三講 共に生きるための関係発達臨床
――「子どもは育てられて育つ」という素朴な考え方に立ち還って
(鯨岡 峻)
第四講 発達障害児の見立てと支援について
――心理アセスメントと支援のポイント (大島 吉晴)
第五講 発達障害児の心理アセスメント
――脳機能との関連について (小海 宏之)
内容説明
こころの織り合わせから共に生きる「かかわりの結び目」へ…多様な「発達障害」観をふまえて未来にひらかれた支援と共生の道をさぐる。
目次
第1講 これからの発達障害を考える(取り組みと問題点;精神発達とは何か ほか)
第2講 LDの明日を語る―発達障害と特別支援教育のなかで(LD概念の登場;わが国の特別支援教育 ほか)
第3講 共に生きるための関係発達臨床―「子どもは育てられて育つ」という素朴な考え方に立ち還って(新しい発達論の構築に向けて;子どもの心の育ちに定位する ほか)
第4講 発達障害児の見立てと支援について―心理アセスメントと支援のポイント(適切な見立てのための検査バッテリーについて;心理検査実施時の留意点について ほか)
第5講 発達障害児の心理アセスメント―脳機能との関連について(成人の脳機能および高次脳機能障害;発達障害に関連する近年の脳機能研究 ほか)
著者等紹介
橋本和明[ハシモトカズアキ]
名古屋大学教育学部卒業。家庭裁判所調査官として、名古屋・大津・福岡・大阪・静岡・和歌山の家庭裁判所を歴任し、大阪家庭裁判所主任家庭裁判所調査官を経て、花園大学社会福祉学部臨床心理学科教授。同大学心理カウンセリング副センター長。臨床心理士
滝川一廣[タキカワカズヒロ]
児童精神科医。学習院大学文学部教授
上野一彦[ウエノカズヒコ]
東京学芸大学名誉教授、大学入試センター特任教授。日本LD学会理事長、特別支援教育士資格認定協会副理事長、日本英語検定協会理事など
鯨岡峻[クジラオカタカシ]
中京大学心理学部教授
大島吉晴[オオシマヨシハル]
臨床心理士。京都府立心身障害者福祉センター、京都府立向日が丘療育園、京都府立こども発達支援センターを経て、京都府立心身障害者福祉センターに勤務。発達障害児臨床、特別支援教育などに長年関わる。関西大学臨床心理士会顧問
小海宏之[コウミヒロユキ]
臨床心理士。花園大学社会福祉学部教授、同心理カウンセリングセンター長。専門は神経心理学的および臨床心理学的アセスメントである(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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