出版社内容情報
<内容紹介>
日本心理臨床学会が主催する大学院教育研修セミナーの記録。ここ数年、社会の要請に応えて、臨床心理学の大学院が多数新設されている。しかし施設の都合などで、すべての院生が同質の教育を受けられるわけではない。そこで学会が、臨床心理学を専門的に学びはじめたばかりの大学院生を対象に、第一線の臨床家による専門セミナーを開催することなった。その質の高い懇切丁寧なセミナーの記録を、さらに広く共有することを目的として編集されたものが本書である。
【目次】
★心理臨床の実践と研究 - 河合隼雄
大学院での研究
近代科学の影響──普遍性をもつということ
関係があるということ
「関係」をもつの中での研究
臨床と研究――研究的態度の維持
事例研究は一例研究か
事例研究の意味
臨床例をもとにした研究
研究の占める位置の確認
自分の目標を立てる
臨床心理学における物語
[質疑応答]
★臨床心理学における研究法 - 藤原勝紀
はじめに
グアム島でのキャンプ
資格の基礎にあるもの
院生研究集会のはじまり
カウンセリング事始め
「日本心理臨床学会」発会のとき
論文の評価基準
現場で感じる変化
医学の中の心理学
心理臨床学の独自性
実践において認知される心理臨床
研究におけるいくつかの義務
心理臨床の研究の特徴
臨床研究の輪郭
★心理査定を学ぶ - 馬場禮子
アセスメント面接
アセスメントを体験する
クライエントの問題を振り返る
見えてくる問題の内容とクライエントのあり方
要求されるセラピストとしての資質
関係性のアセスメント
面接側に要求される知識
アセスメント面接の限界
心理検査
心理検査のバッテリーを組む
心理検査──結果の伝え方
心理療法への導き
情報統合の学び方
報告の仕方を学ぶ
心理検査結果の伝え方
[質疑応答]
★心理療法を学ぶ - 一丸藤太郎
はじめに
心理臨床家の基礎訓練
基礎訓練の三つの領域
理論と実際
スーパーヴィジョンの重要性
おわりに
[質疑応答]
★心理臨床の実践と研究における倫理 - 栗原和彦
はじめに
心理臨床の実践と研究において「倫理」が必要なわけ
実践と研究において配慮すべき具体的な手続き
倫理のジレンマ
倫理的なセンスを磨くために
[質疑応答]
★臨床心理業務の実際――病院心理臨床を通して―― 橘玲子
病院における臨床文化
私の勤めはじめのころ
自分も患者さんも安全であること
仕事は一人でしているのではない──病院スタッフの一員として
「負ける喧嘩はしてはいけない」
医師との関係
病院の中で臨床心理をどう生かせるのだろうか
他職種とどう仕事をしていくか
心理臨床の仲間を作る
仕事とお金のこと
情報公開と記録の問題
[質疑応答]
★臨床心理業務の実際――教育心理臨床を通して - 鵜養美昭
はじめに
学校臨床士になった契機
心理職としてはじめて赴任するとき──臨床心理査定を
氾濫する専門用語
心理コンサルテーション
コンサルテーションの場
臨床業務の基本の技術
キャリア選択
サポート・ネットワークの必要性
臨床心理士としてのキャリア形成
臨床心理と法的根拠
学校臨床心理士の説明責任
日本のスクール・カウンセリング
いくつかの事務処理について──行政管理、設定業務
★軽度発達障害の発達臨床心理学的理解――LD、ADHD、HFPDDを中心に―― 五十嵐一枝
はじめに
最近の子どもの問題の背景──軽度発達障害(ADHD、LD、高機能自閉症)
軽度発達障害の症例
LDとアスペルガー、自閉症の重なり
LDと自閉症と知的発達の遅滞の違い
まとめ
★臨床心理学の研究領域 - 鑪幹八郎
目的について
臨床心理学の特徴
臨床心理学と時代性・文化性
臨床心理学の特性
援助的活動と倫理
研究領域
まとめ
[質疑応答]
内容説明
日本心理臨床学会が主催する大学院生心理臨床研究集会でのレクチャーの記録。質の高い懇切丁寧なレクチャーは、学びの場を超えて共有できる貴重な知の結集。
目次
心理臨床の実践と研究
臨床心理学における研究法
心理査定を学ぶ
心理療法を学ぶ
心理臨床の実践と研究における倫理
臨床心理業務の実際―病院心理臨床を通して
臨床心理業務の実際―教育心理臨床を通して
軽度発達障害の発達臨床心理学的理解―LD、ADHD、HFPDDを中心に
臨床心理学の研究領域
著者等紹介
一丸藤太郎[イチマルトウタロウ]
1973年、広島大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(心理学)。臨床心理士。神戸松蔭女子学院大学人間科学部教授
栗原和彦[クリハラカズヒコ]
1979年、国際基督教大学大学院博士前期課程修了。代々木心理相談室室長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。