出版社内容情報
【解説】
本書は、ユング派の分析家によるHIV患者への詳細な夢分析の記録である。現在、エイズの治療は格段の進歩をとげているが、本書は医療、心理臨床を問わず人間の生と死に関わるすべての人たちにとって、多くの深い示唆に富んでいる。また近年注目をあびている「物語を基礎とする医療(ナラティヴ・ベイスト・メディスン)」の貴重な研究例ともなっている。文体は小説のようで実に読みやすいのも特徴。巻頭に河合隼雄氏の論文が入る。
内容説明
ケアを提供するものにとってエイズがいかに圧倒的な体験であるかということが、本書の一つの中心的なテーマである。愛する人が死につつあるときに生じる無意識的な同一化や、われわれだけが生き残り、病気でないということに対する罪悪感、そして、自分自身が病気になってもっと深く交わりたいという胸の張り裂けるようなどうしようもない思いについても語っている。
目次
第1部 クリストファーの夢(出会い;向こう側へ;男友達;カリニ肺炎;二つの生き方 ほか)
第2部 ドリームグループ(脱獄;下方への牽引力;意味と身体;未来)
著者等紹介
ボスナック,ロバート[ボスナック,ロバート][Bosnak,Robert]
1948年、オランダに生まれる。ライデン大学法学部で法律学と犯罪学を学び、1971年卒業。法学博士。1977年、ユング派分析家の資格を取得。現在、ボストン近郊のケンブリッジで個人開業。ボストン・ユング研究所の講師や教育分析家として活躍。京都大学客員教授。独自のドリームワークを開発し、世界各国でドリームグループを開いている
岸本寛史[キシモトヒロフミ]
1966年鳥取市に生まれる。1991年京都大学医学部卒業。内科医
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