出版社内容情報
社会心理学のマクロな視点と、臨床心理学のミクロな視点の二面から、現代日本の「ひきこもり」現象を考察したユニークな論考集。
現代の日本社会では、何十万人もの若者が社会との関係を断ち、自宅に閉じこもっているという。こうした「ひきこもり」は、一つの行動として表現される現象でありながら、その背景と心のありようは複雑で多層的である。本書は、社会・文化を考慮に入れたマクロ的な視点をもつ社会心理学と、個人の生育歴や家族などのミクロ的な視点をもつ臨床心理学の二つの異なる面から、「ひきこもり」について多角的に考察したユニークな論考集である。
はじめに………内田由紀子
第1章 ひきこもり――現代日本社会の“行きづまり”を読み解く………マイケル・ジーレンジガー/翻訳 内田由紀子
第2章 自己矛盾のメンタリティー――ひきこもりの文化心理学………北山忍
第3章 ひきこもりと日本社会のこころ………内田由紀子
コラム 「ニート・ひきこもり」についての社会心理学的考察―― 原因と対処方略について………ビナイ・ノラサクンキット
第4章 「ひきこもり」と学習………境泉洋
第5章 日本における若者の病理の変化――ひきこもりと行動化………河合俊雄
第6章 臨床現場から見る「ひきこもり」……… 岩宮恵子
第7章 ひきこもり考――三氏(ジーレンジガー・北山・河合)の議論へのコメント………嘉志摩佳久
註および文献
おわりに………河合俊雄
【著者紹介】
京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。Ph.D.(チューリッヒ大学)、ユング派分析家。臨床心理士。現在、京都大学こころの未来研究センター教授。専攻は臨床心理学。著書に『村上春樹の「物語」――夢テキストとして読み解く』『心理臨床の理論』『ユング』『ユング派心理療法』(編著)『発達障害への心理療法的アプローチ』(編著)『思想家 河合隼雄』(編著)など。
内容説明
なぜ、日本の多くの若者たちは社会との関係を断ち自らの殻に閉じこもるようになってしまったのか?文化・社会心理学と臨床心理学の第一人者たちが、日本の「ひきこもり」のもつ複雑な背景・要因について多角的な視点から論じ、その実情に迫る。
目次
第1章 ひきこもり―現代日本社会の“行きづまり”を読み解く
第2章 自己矛盾のメンタリティー―ひきこもりの文化心理学
第3章 ひきこもりと日本社会のこころ
第4章 「ひきこもり」と学習
第5章 日本における若者の病理の変化―ひきこもりと行動化
第6章 臨床現場から見る「ひきこもり」
第7章 ひきこもり考―三氏(ジーレンジガー・北山・河合)の議論へのコメント
著者等紹介
河合俊雄[カワイトシオ]
1987年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。Ph.D.(チューリッヒ大学)、ユング派分析家。臨床心理士。現在、京都大学こころの未来研究センター教授。専攻は臨床心理学
内田由紀子[ウチダユキコ]
2003年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都大学こころの未来研究センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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