内容説明
女性にとって、更年期とは何なのだろうか?この問題については、医学的・生理学的な面からの研究は見られるが、心とからだのかかわりの面からその深層心理を探求した本はまだ殆んど見当らない。本書は、ユング派の女性分析家のもとに、自発的に分析を受けにきた、空虚感を訴える一人の知的な更年期女性が、その興味深い夢分析を通して、閉経期の性の意味、自分の母親や夫、子供との新しい関係、さらに人生の後半を自分らしく個性的に生きてゆく上で洞察し、再発見した様様な女性性の問題を平易に生き生きと考察している。
目次
第1部 予備的考察(更年期とは何か;なおざりにされる危機;分析における夢の作業)
第2部 夢と閉経期(レイチェルの分析作業;知ることの恐怖;自己愛的屈辱;性と閉経;子宮の死;怒りと嫉妬;再生;創造性と個性化;女性の中の男性元型;女性性の統合;分離と変化)