創元こころ文庫<br> カウンセリングと人間性―河合隼雄セレクション

電子版価格
¥1,320
  • 電子版あり

創元こころ文庫
カウンセリングと人間性―河合隼雄セレクション

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A6判/ページ数 341p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784422000510
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C1111

出版社内容情報

カウンセリングおよび臨床心理学の第一人者、河合隼雄の初期の論説や講演をまとめた同名書籍の文庫版。

日本社会にカウンセリングおよび臨床心理学を根付かせた第一人者として知られる著者が、初期の頃に書いた論説や講演をまとめた同名書籍の文庫版。カウンセリングを型にはまったものとしてではなく「人間性」という視点から、柔軟に多面的に捉えた内容で、専門家だけでなく一般読者もおもしろく読める。黎明期にすでにカウンセリングの本質的な問題点が的確に指摘されている点は注目に値する。文庫版巻末解説は、著者の弟子で京都大学大学院教授、桑原知子氏。

はじめに カウンセリングと人間性

I カウンセリング場面と人間性
 1 うそと真実
 2 偏見のカウンセリング
 3 責任感
 4 カウンセリングと「ゆとり」
 5 「考えさせる」こと
 6 馬が合う・虫が好かぬ
 7 個性をとらえる

II 講演記録から
 8 カウンセリングとコンプレックス
 9 学校カウンセリングの問題点
 10 適応とは何か

III 理論的考察
 11 日本におけるロジャーズ理論の意義
 12 カウンセラーの態度──現象学的接近法の問題
 13 自殺の象徴的意味について─ユング派の視点から

付録 箱庭療法の理論と実際
 1 はじめに
 2 技法と発展の過程
 3 箱庭の見方
 4 一つの事例(学校恐怖症)
 5 理論的考察
 6 主題の展開(いろいろな事例)

あとがき
解説
シリーズ刊行によせて
初稿発表覚え書

【著者紹介】
一九二八年、兵庫県生まれ。京都大学教育学博士。京都大学名誉教授。元・文化庁長官。一九五九年にアメリカへ留学。一九六二年にスイスのユング研究所に留学し、日本人として初めてユング派分析家の資格を取得。一九六五年に帰国後、京都大学教育学部で臨床心理学を教えるかたわら、ユングの分析心理学を日本に紹介し、その発展に寄与。一九九二年、京都大学を退官。一九九五年、国際日本文化研究センター所長、二〇〇二年、第一六代文化庁長官に就任。著書に『ユング心理学入門』『昔話と日本人の心』『明恵 夢を生きる』『河合隼雄著作集(全一四巻)』ほか多数がある。二〇〇七年七月一九日、逝去。

内容説明

日本の社会にカウンセリング、および臨床心理学を根付かせた第一人者である著者が、初期の頃に書いた論説や講演録をまとめた本書は、カウンセリングを「人間性」という視点から柔軟に多面的に捉えたもので、専門家のみならず一般読者にもおもしろく読める。黎明期にすでにカウンセリングの本質的な問題点が的確に指摘されている点も注目に値する。

目次

1 カウンセリング場面と人間性(うそと真実;偏見のカウンセリング;責任感;カウンセリングと「ゆとり」;「考えさせる」こと;馬が合う・虫が好かぬ;個性をとらえる)
2 講演記録から(カウンセリングとコンプレックス;学校カウンセリングの問題点;適応とは何か)
3 理論的考察(日本におけるロジャーズ理論の意義;カウンセラーの態度―現象学的接近法の問題;自殺の象徴的意味について―ユング派の視点から)
付録 箱庭療法の理論と実際(技法と発展の過程;箱庭の見方;一つの事例(学校恐怖症)
理論的考察
主題の展開(いろいろな事例))

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年~2007年。兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。臨床心理学者。京都大学名誉教授。1962年にスイスのユング研究所に留学し、日本人として初めてユング派分析家の資格を取得。帰国後、京都大学教育学部で臨床心理学を教えるかたわら、ユングの分析心理学を日本に紹介し、その発展と確立に寄与。1995年、国際日本文化研究センター所長、2002年、第一六代文化庁長官に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きょちょ

17
カウンセリングと言えばカール・ロジャースが有名だが、河合先生の論は、ロジャースの考え方により深みを増している。 よく悪いことをする高校生が、机に小刀で彫り付けていた。先生が注意しに行くと小刀の使い方のうまいことに気づき、それを褒め、一緒に普通の彫刻をやりだし心の交流が行われた話は感動。 カウンセリングは決して、単なるスキルやテクニックではなく、人間と人間の真の関わりが大切であることが理解できる。 付録の「箱庭療法の理論と実際」、クライアントの個性や治療過程がわかり実に興味深い。  ★★★★2016/06/27

あかね

2
不登校ブログでおすすめされていて読了。「来週からこそ登校します」と言いながらなかなかその通りにしない。不登校界隈では“行く行く詐欺”と言いますが、そのウソは立ち上がっていこうとする願望の表現、一つの内的真実として受け止めるのだと。カウンセリングとはずっとカウンセラーが解決案を出してくれるものだと思っていた。カウンセラーと話すことにより、気持ちを整理し自分の中の答えを見つけていくものだと知った。カウンセラーは知識と経験と人間性でクライエントに寄り添っていかなければならず…大変なお仕事だと思う。 2021/11/01

みみこ

1
共感的理解をしましょうと簡単に言われるけど、実際はとても難しいし、すぐにできなくて当たり前ときちんと示されているのが心強い。2019/05/23

Haru

1
小川洋子さん、村上春樹さん、鷲田清一さん、茂木健一郎さんらが対談を通して深く影響を受けているらしいことを知り、河合隼雄さんという人物に興味が湧いています。専門的なことはわかりませんが、どんなことを考えている人物だったのかを知るべく、著作をいくつか読んでみたいと思っています。2017/06/25

kungyangyi

0
これもいい本。特に、偏見についての章は、カウンセリングにとどまらず、人間関係について一般性を持つ話。2020/11/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9338370
  • ご注意事項