内容説明
平成七年三月二〇日(月)八時過ぎ、死者一一人、負傷者五五〇〇人を出した「地下鉄サリン事件」は、東京消防庁が初めて、無差別大量殺戮の卑劣なテロ攻撃と真っ向から対決した事件であった。「晴れた日なのに、暗い朝だった」サリン被害を受けて負傷した救急隊員は、皆が口をそろえた。「戦友」が語る!修羅場と化したあの日…あの時…。
目次
第1章 松本サリン事件
第2章 東京・地下鉄サリン事件
第3章 小伝馬町駅の惨事
第4章 築地駅爆発
第5章 俺は後でいい、部下を先に助けて
第6章 マスコミが先着していた神谷町駅
第7章 救急車が無くなった
第8章 検証「地下鉄サリン」
資料編
著者等紹介
中沢昭[ナカザワアキラ]
1937年東京都板橋区生まれ。法政大学法学部卒業。1956年東京消防庁採用。金町、石神井、荒川、杉並、志村各消防署長を歴任。1997年東京消防庁を退任
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感想・レビュー
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もだんたいむす
3
地域ごとに分けた時系列順なので、ちょっと読みにくさもあったがなかなか興味深かった。情報が無い中、出動する隊員たちの心情がよく理解できた。2025/03/06
ゆうゆう
2
あれから20年たつのか。こういう時に真っ先に駆けつけた、救急、消防、警察の無防備さが、今だからこそ怖い!人を救助する使命感だけで、未知の状況でも最善を尽くしていた。頭がさがる。ありがたい。個人的には、松本事件の後、地下鉄でテロが起こるまでにサリンがまかれたと分かっていたことを知らなかった。何だかおかしい、妙だ、を敏感に嗅ぎ取って備える嗅覚は、残念な事だが一人一人、身につけなければならないスキルかもしれない。平和ぼけが一番なのになぁ。2015/04/21
stroatman
0
地下鉄サリン事件当日の主に消防署、救急隊員の視点から書いたルポルタージュ。同時多発的に起きたサリンテロに対して発生直後はサリンと認識出来ず地下鉄で爆発が起きたと報告されたことなど現場の混乱が生々しく伝わってくる。もう20年以上前で風化してきてるけど当時の救急隊員の身を挺した働きには頭が下がる。2023/11/05