内容説明
未来の税制を議論する上で欠くことのできない「租税の歴史」を専門領域にとらわれない幅広い視野で読み解く―。四十年にわたる研究のなかで巡らせた思考の足跡を辿る。
目次
第1部 租税史回廊―租税の歴史(総論;古代から近代 ほか)
第2部 続租税史回廊―過去と現在(はじめに;制度論の補充 ほか)
第3部 関連論文(制度の効率性と租税(論究ジュリスト10号84‐91頁、2014年夏号)
講演録「フランスにおける流通税の歴史」(税大ジャーナル11号1‐10頁、2009年6月) ほか)
第4部 海外の動き(2016年秋 日税連海外調査ドイツ・スイス(税理士界1345号 2016年10月15日)
2017年秋 日税連海外調査ニュージーランド(税理士界1360号 2018年1月15日) ほか)
第5部 将来に向けて(税制改革とアメリカ大統領選挙(日本租税研究協会平成28年5月30日開催の第68回定時総会報告)
世界の中間層の本音とどう向き合うか(日本租税研究協会平成29年5月30日開催の第69回定時総会報告) ほか)
著者等紹介
中里実[ナカザトミノル]
昭和53年、東京大学法学部卒業。同年、東京大学法学部助手(指導教官、金子宏教授)。その後、一橋大学助手・講師・助教授、東京大学助教授を経て、平成9年1月より、東京大学大学院法学政治学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sherlock Holmis
2
租税史とは題されているが、実は税金というタームひとつで政治史、経済史、社会史そのものを古代から通して概観できることが分かる。今後の世界的な課税のトレンドは所得税や法人税を中心とする「逃げやすい」直接税から消費税などの間接税への転換?『講演録「フランスにおける流通税の歴史」』が特に読みやすく面白かった。2021/07/23
ただの人間
2
表題作である租税に関する歴史的な叙述の他に、海外調査を含む現状認識についてのエッセー、講演録も収められた一冊。著名な歴史的な事件の租税の観点からする捉え方や、執行、会社法との関連での租税制度など、視野の広さと関連づけの発想の豊かさから多くの示唆を得ることができる2020/02/09
Ra
1
中里先生の専門誌連載(そのため重複記述は散見)をまとめたもの。かつて受けた軽快な講義(録)が思い出される。租税史について,簡潔ながら極めて重要な指摘が豊富。特に,租税法律主義の歴史性に関する指摘は(素人からすれば)圧巻に映る。その他,税務実務の重大性,政府税調における専門家の役割,(著者の初心からの専門である)国際的租税回避など。2021/12/14
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