出版社内容情報
近年、増加傾向にある納税者の勝訴事例を採りあげ、納税者の視点から課税庁の主張・解釈を分析。勝訴のポイントや条文解釈において争いの生じやすい点を検証した、実務家必携の一冊。
内容説明
租税法における課税庁の行政処分に対して、納税者が課税庁と意見を異にするため、訴訟に発展するという事例は少なくない。しかし、これらのうち納税者が勝訴するという事例は残念ながら多いとはいえない。もともと、税務訴訟は勝ち負けで判断すべきものではなく、“何が真実か”“何が正義なのか”という視点で観察すべきものであるが、納税者が勝訴した事案のなかには、取引の背景を正しく見つめ、法解釈としてのあり方を指向するものが少なくない。本書では、租税法の正しい解釈を求めるために納税者勝訴の判決を追究した。
目次
法人税(第三者有利発行増資と法人税法22条2項―旺文社事件;土地取得をめぐる裏契約と裏金の損金算入;解除条件付債権放棄と貸倒損失の計上時期―日本興業銀行事件 ほか)
所得税(米国法人に支払った特許紛争に係る和解契約に基づく対価と国内源泉所得―シルバー精工事件;ストック・オプションの権利行使利益の所得区分;任意組合の組合員が行った労務提供の対価の所得区分 ほか)
その他(相続後の認知判決と更正の請求及び決定処分;違法調査と国家賠償―北村事件;修正申告の無効に伴う租税納付債務の不存在 ほか)