内容説明
現在地球上で唯一の経済的力動性を持ちながら持続的な経済成長を成し遂げている地域は、まさにアジア地域である。アジア地域の潜在力はきわめて大きい。資本と技術、市場と労働力、その他多くの面で今後の世界秩序の主役になりうる与件を備えている。最近発生した東アジア経済危機は危機克服のため韓日両国の協調の必要性をよりいっそう高めたといえよう。このような新しい状況のもとで東アジア地域経済を先導しようとする日本と韓国の経済関係は、どのように方向づけられるべきであろうか。本書は、こうした現実的要請に応えるため、開港前後の手工業の展開以降、現在にいたるまでの工業化の歴史的展開を、かつての日本のそれと比較しながら実証的に分析し、韓国工業化の政策的課題を、より確実に解明し、そのうえで韓日経済協力の課題と方向を模索しようと意図して書いたものである。
目次
第1章 東アジア経済の変化と韓日経済協力の方向
第2章 工業化・近代化に関する方法論的アプローチ
第3章 「植民地」における工業構造の跛行性とその要因
第4章 解放後の韓国工業と資本蓄積過程―1945~60年の援助経済下の工業発展
第5章 基幹工業の開発と輸出増進―1960年代の工業化の展開
第6章 重化学工業化の推進と産業構造の高度化―1970年代以降の工業化の発展と先進国経済への挑戦
第7章 韓国経済の構造改革と政策課題
第8章 韓日経済関係の推移と現況
第9章 韓日比較の視点でみた工業化・近代化の諸条件
著者等紹介
李海珠[リカイジュ]
1931年生まれ。釜山大学校経済学科卒業。慶北大学校大学院博士課程修了(経済学博士)。97~現在、釜山大学校名誉教授。87~現在、日本の下関市立大学非常勤講師。98~現在、福岡国際大学教授
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