出版社内容情報
★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。
内容説明
笠さんとともに生きて知る映画の醍醐味、人生の喜び。“心の耳”に届けたい人生のコクと滋味と、いい顔の美しい日本人がいる風景―。笠智衆「米寿の賀」記念出版。
目次
1 夢のごとし(いちばんの友;役名なし、台本なし、台詞なし;両親のこと;形から入って心に達せよ;優れた人が身近にいて;小津流“自然体”;演ずるということ ほか)
2 ともに生きて(継続は力なり;すごく凝るんです;不思議な方ですよね;天性の自然体;笠さんの「ハイ、ハイ」 ほか)
3 好きだから(山だ海だ、日本の風景だ;寡黙の美しさ;これが最後です;困った顔の笠さん;美しい日本人 ほか)
付 笠智衆略年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
29
笠智衆さんの生き方に感銘を受けます。タイトル通りに「あるがままに」こんな生き方をしたいものです。2014/08/06
tko
1
長い新平家物語にいささか疲れてのこの本。明治男子泣かないと監督を困らせたがついに泣く笠さん。長の患いで入院する妻に「お前とおりたい」と後ろを向いてむせび泣く『ながらえば』。老醜を晒したくないと死出の旅で断崖から飛ぶが死に損なって宿で号泣する『冬構え』。また妻に先立たれ、娘をやっと嫁に出した夜「ひとりぼっちか・・・」と孤独をつぶやく『秋刀魚の味』。いい顔の日本人だ。年を重ねるにいい顔になってくる笠さん。女優では吉永小百合と八千草薫、男優ではチャップリンとこの笠智衆がいい。2020/06/28
秋津
0
サイレントからトーキーという映画の形が移り変わる時期に身を置き、小津安二郎作品、山田洋次監督作品をはじめ、数多くの作品に出演された笠さんの自伝、そして関係者の笠智衆評。強い自己主張を行わず、タイトルどおり「あるがままに」、役者人生を送られてきた様子を面白く拝見。色々感想が浮かぶものの、結局「良い人だ…。」というところに集約。一番初めに観たからか、『日本のいちばん長い日』の鈴木首相のイメージが強いですが、強圧的でなく、ひょうひょうとしながらも通すべき筋はしっかり持っている、という演技が好きな役者さんです。2017/01/28
新井 拓洋
0
1992.10.10初版第一刷 1992.10.30初版第三 世界文化社刊 笠智衆他著 『夢のごとし』と題された本人による回顧録、『ともに生きて』『好きだから』と題した監督・俳優・脚本家・評論家などによる笠智衆に寄せるエッセイ。2011/08/12
にやり2世
0
本人の話でも善良な人柄が伝わる。関係者の話でも、小津映画に出てたまんまの人だというのが全員一致していてすごすぎる。写真の息子さんがそっくり。若い頃の写真だと思ったぐらい。2019/05/01