出版社内容情報
フランス人なら誰でも知っている国民的人気キャラクター「プチ・ニコラ」。ニコラと仲間たちが織り成すおかしな学園生活や暮らしをいきいきと描いた小話を集めた1冊。フランスの小学生の生活環境や機知に富んだいたずらを通して、子どもたちが共感できる短編集。ニコラとその仲間たち、まわりの大人たちのキャラクターが多彩で、個性的。サンペが描くキャラクターのイラストも、フランスっぽくおしゃれでかわいい。子どもだけでなく、大人も楽しめる1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クナコ
9
初読。フランスの国民的児童小説シリーズ第3巻。キュートな小学生・ニコラの毎日。海外の学年切り替わりは秋が多い、と言いうのは有名な話。月単位の長い夏休みを遊びつくした後に上の学年へ上がってひとつ、またひとつ「おにいちゃん」になっていくニコラ。いつまでも親にべったりなのは親側からしたら可愛らしいっだろうけれど、主人公のようなわんぱく君は常に新しいことに夢中で、悲しんでなんていられない。外国は子供の独立が早い、と言うのも有名な話。物理的に離れたところへやることとで、子の自立心を養う文化なのだなあと思った。2024/04/24
きゅー
7
前半は両親とともにホテルで過ごした夏休みの物語で、後半は翌年臨海学校に参加した時の物語。どちらにしたって大騒ぎなことには変わりがない。主人公のニコラが物語の牽引役ではないという構成が面白い。まわりにいる子どもたちが喧嘩したり、遊んだり、トラブルを起こしたりして大人が困り果てる。一人ひとりの個性もあるけれど、それが塊となったエネルギーの大きさにしびれる。決して悪いことしようと考えているわけじゃないのに、何をやってもめちゃくちゃになる。だけど、どこか憎めない可愛らしさが残っている。2020/09/14