目次
第1部 「白峯」
第2部 「菊花の約」
第3部 「浅茅が宿」
第4部 「夢応の鯉魚」
第5部 「吉備津の釜」
第6部 「蛇性の淫」
著者等紹介
藤本義一[フジモトギイチ]
小説家。昭和8年~。大阪府生まれ。昭和33年、大阪府立大学経済学部卒業。大学在学中にラジオドラマ「つばくろの歌」で昭和32年度芸術祭文部大臣賞を受賞。宝塚映画を経て昭和37年に放送作家として独立し「法善寺横丁」などを手がける。昭和49年には『鬼の詩』で第71回直木賞を受賞。またテレビ番組の司会者としても活躍、昭和40年からスタートした日本テレビの深夜番組「11PM」では最終回となった平成2年まで実に2520回もの間、司会者を務めあげた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sofia
36
雨月物語の「蛇性の淫」は初めて読む。うわあ、怖い、怖い。元は「白峯」をじっくりと、と思ったが、藤本義一が描いていてわかりやすい。背景に写真が載っているが、雲井御所跡、白峯寺などは行ったことある。「白峯」を読んでまたゆっくり見て回りたい。「怪異」小説は怖いよ。2022/12/12
NORI
18
江戸時代後期に書かれた怪談集。雨月物語として読んだのか、日本昔話として読んだのか、中国の昔話として読んだのか、オマージュ作品としての類話を読んだのか定かではないけれど、過去に読んだことあるような話たち。「夢応の鯉魚」は、間違いなく中国の怪奇物語集にある話。例によって、中国の昔話→日本昔話にスライドしたやつ。「吉備津の釜」も、昔読んで内容も覚えているお話だった。"害をなす亡者"の立場が明確。これも元ネタ中国か?仄見えでうらめしやぁと呟く日本的幽霊と違って、明確に殺しに来る感じが、とても中国的に感じる。2025/01/02
まぶだむ
5
『雨上がり月霞む夜(西條奈加)』からの本作。 『雨月物語』に縁のある地を訪れたくなる一冊。2019/12/04
あんさん
4
雨月物語から「白峯」「菊花の約」「浅茅が宿」「夢応の鯉魚「吉備津の釜「蛇性の婬」を採録。単なる不思議さ恐ろしさだけでなく、人というものの業の深さを、悲しくも感じさせてくれる。2022/06/17
なにょう
4
民俗学者の谷川健一さんが「白峰」はいいと言うので読んでみた。なるほど、どの話も面白い。写真もついているが、実は内容とあんまり関係ないね。きれいなのはきれいだけど。ただ怖いとかじゃなくて、もの悲しい物もある。2014/08/15