出版社内容情報
きつねの子どもの夢はいつもおかあさんの夢。ささの葉に願いを書いたきれいな色紙をかざっている人間の親子を見たきつねの子は、自分もお願いをしてみることにしました。|
内容説明
やまじゅうをあるきまわり、やっとみつけたのは、やまいものはです。こぎつねは、つるごとはをかみきると、のあざみのはなのしるをあしにぬり、はのうえに、くっきりとあしあとをのこしました。「おかあさんがかえってきますように」こぎつねはいのりました。
著者等紹介
正岡慧子[マサオカケイコ]
作家。広島県生まれ。海外向け絵本の翻訳から絵本の世界に入る。また、薬膳料理研究家でもあり、多方面で広く活躍中
松永禎郎[マツナガヨシロウ]
画家。東京都生まれ。東京芸術大学卒業。放送関係のグラフィックデザインの仕事から、童画の分野まで幅広く活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
60
とても好み。切ないけれど優しいお話。母親を亡くした子ぎつね。でもそのことを、子ぎつねは知りません。「おかあさんが かえってきますように」。子ぎつねは、人間のまねをして七夕にお願いします…。優しい、優しい世界。悲しい結末だと思っていたので、温かなラストにホッとしました。正岡慧子さんの文章も、松永禎郎さんの挿絵も凄くいい。二人の作品を追いかけたくなりました。2023/04/14
annzuhime
38
図書館本。餌を探しに行って帰らなくなった母親を待つこぎつね。麓では人間の子どもと母親が笹の葉に願い事を書いている。お母さんに会えます様にと願いを込めるこぎつね。切なくて、ラストの方のこぎつねの行動に不安になった。切ないままで終わるかと思ったけど、違う展開でホッとしました。叶わない願いもあるけど、七夕の日に託した想いに優しい気持ちになれる。2023/07/07
ぶんこ
35
餌を探しに行ったまま帰らない母を待つ子キツネ。ふもとの家で七夕飾りに願い事をする母子を見て子キツネも葉っぱに足跡を残して笹に飾ります。帰らぬ母を待って食べることを忘れた子キツネ。辛くて読み進められるかと思ったとき、メスキツネが現れて助けられます。そして夫婦となり家族もできました。よかったと胸をなでおろすも、母への思いは消えないのでしょう。作者あとがきと七夕の由来にジ〜ンときて、動物と人との共存を考えてしまいました。2023/04/24
どあら
35
図書館で借りて読了。七夕の今日、今朝の読み聞かせ(3-4)に使用。悲しいお話ですが、子供達は集中して聞いてくれました☺️(4分52秒、3年生以上)2021/07/07
anne@灯れ松明の火
35
読友さんご紹介で、予約。母親が猟師に撃たれたことを知らない子ぎつねの願いは、母が戻ってくること。人間の七夕飾りを真似るが……。子ぎつねの願いが切ない。でも、作者はその後に、優しい展開を用意してくれていた。絵本には珍しく、あとがきがある。七夕に加え、子どもの成長、自立も描いたとのこと。正岡慧子さんには、読み聞かせ講習会でお会いしたことがある。休み時間には個人的にもお話させてもらった思い出が♪ 松永禎郎さんの絵も、優しくて、かわいい。2021/07/02