内容説明
短編集『シャーロック・ホームズの冒険』の中の一話に、原題「The Blue Carbuncleザ・ブルー・カーバンクル」、日本語訳では「青いガーネット」、あるいは「青い紅玉」のタイトルでよく知られる話から、青いガーネットの存在の可能性を求めて鉱物の世界を探求する。
目次
第1章 ブルー・ガーネットを探して(カーバンクルは赤い石;地球の縮図、ガーネット ほか)
第2章 柘榴の色のガーネット(大森宝石コレクション;大森コレクションの華 ほか)
第3章 えっ、これもガーネット?(黒薔薇の薫り;オレンジ色の暖かさ ほか)
第4章 ガーネットを追う人々(氷原の緑;マグマより熱い変成岩? ほか)
幻のブルー・ガーネット―ちょっと長めのエピローグ
著者等紹介
奥山康子[オクヤマヤスコ]
東北大学大学院理学研究科博士課程前期卒。理学博士。産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門所属。主任研究員。同広報部地質標本館兼務。前・地質情報研究部門地質標本研究グループ長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
17
シャーロック・ホームズの物語のひとつに、「青いガーネット」もしくは「青い紅玉」と呼ばれる冒険があります。冒頭の、落とし物の山高帽を睨んでホームズが推理する場面が有名で、クリスマスシーズンにふさわしく許しを与える場面で終わる逸品。しかし「青い」ガーネットなど、そもそも存在しない。ではこの宝石とはいったいなにか。──この疑問に、理系の研究者らしいアプローチできっちりと考察した結果がこの本。最後に、決定的な結論を突きつけず終わらしたことを含め、これぞシャーロッキアンの研究書です。2008/11/24
Koning
17
鉱物宝飾関係者なら読んでおいて損は無い&その辺に興味持ってくれる子が増えるといいなーという感じの本。ガーネット族の特性と微少元素や構造の乱れからの着色とかその辺を満遍なく書いてて楽しい。GGGだと青あるのかーというのを見てまた人工宝石の標本を探したくなる今日この頃という訳で、その筋のマニアには己のコレクションの足りない部分を認識して更なる物欲が湧いてきたりして危険な本でもあります(笑)。んでも面白い本だよー2014/06/22
Uzundk
5
そもそも青いのにガーネット(紅榴石)とはどういうものだろうかという疑問から始まる。著者は産総研に所属し、本書紹介の鉱石は地質標本館にあるとのこと。宝石の色とは透明な結晶に微量の不純物が混ざることで一部の光を吸収するようになった事が原因で、ルビーとサファイアのように同じ組成でも含有する不純物によって色が変わる。しかし青いガーネットは見つかっていない、その理由を他の鉱物の特徴などを交えて考察する。2015/08/16
ぽま
4
正典の中の人気の一編『青いガーネット』。ガーネット(carbuncle)とは本来鮮やかな赤色の宝石を指す言葉なのだが、表題の“青いガーネット”とやらは実際に存在するのだろうか?その疑問に、化学、鉱物学、結晶学の面から迫っていくのが本書である。ガーネットという鉱石についてかなり専門的に論じており、内容に着いていくには、少なくとも基本的な化学知識・地質学知識が欲しいところ。末尾には、筆者自身の“青いガーネット”の正体に関する考察も。2012/02/27
みろ
4
ずっと青い紅玉=サファイアだと思っていたけど、専門家の視点だと違ってくるものなんですね。2012/01/06