出版社内容情報
「一期一会」「本来無一物」など、熟語形が多い禅語ですが、じつは漢字一文字でも禅的な風味を読み取ることは可能です。
生、老、空、安、我、色、心、柱など、その文字の背景や仏教的意味を知ると、何気なく使っている文字にも意味深い味わいが生まれ、日々の暮らしを豊かにしてくれます。
たとえば「苦」。
【解説】
人間は、甘(かん)・酸(さん)・辛(しん)・苦(く)の順に味を覚え、逆の順番で忘れていくらしい。
つまり「苦み」を旨いと思えたら一人前、しかし老化と共に「苦み」や「辛み」が楽しめなくなり、最後まで旨いのが「甘み」。
ビールを呷(あお)り、タラの芽や蕗の薹の天麩羅が旨いと思える私はまだ若いのか。
いや、問題は心の甘酸辛苦である。辛く苦しいことも味わい楽しめるのが大人。「苦」とは元々「にがな」という草のことだ。
本書では、芥川賞作家であり禅僧でもある玄侑宗久氏が、「毎日の一文字」365字を選定しました。
その文字に込められた禅的・仏教的なものの考え方や見方などを、遊び心満載の文で解説。俳句もたくさん登場します。
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■本文見出し抜粋
1月1日「一」:一から習い、もとの「一」にかえる
2月3日「鬼」:無邪気な鬼が最も怖い
3月17日「入」:彼岸は別世界への入口
4月14日:「耕」:耕しつづけるのが人生か
5月7日:「藤」:年に一度の贖罪(しょくざ い)
6月17日「栁」:「柳に風」で涼やかに
7月12日「蓮」:恋の花から仏教の花へ
8月14日「棚」:盆棚はあの世への架け橋
9月16日「老」:老熟を讃える
10月24日「淋」:我もさびしき秋の暮れ
11月5日「息」:息は身心の出入り口
12月27日「鹿」:年ごとに分岐が増える角
目次
睦月 1月の一日一字
如月 2月の一日一字
弥生 3月の一日一字
卯月 4月の一日一字
皐月 5月の一日一字
水無月 6月の一日一字
文月 7月の一日一字
葉月 8月の一日一字
長月 9月の一日一字
神無月 10月の一日一字
霜月 11月の一日一字
師走 12月の一日一字
目次
睦月 1月の一日一字
如月 2月の一日一字
弥生 3月の一日一字
卯月 4月の一日一字
皐月 5月の一日一字
水無月 6月の一日一字
文月 7月の一日一字
葉月 8月の一日一字
長月 9月の一日一字
神無月 10月の一日一字
霜月 11月の一日一字
師走 12月の一日一字
著者等紹介
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
臨済宗福聚寺住職。花園大学仏教学科および新潟薬科大学応用生命科学部客員教授。2001年「中陰の花」で芥川賞、09年妙心寺派宗門文化賞、12年仏教伝道文化賞沼田奨励賞、14年「光の山」で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。東日本大震災後は政府の復興構想会議委員、被災地青少年支援のための「たまきはる福島基金」理事長を務めた
菅沼雄風[スガヌマユウフウ]
1957年生まれ、東京都八王子市出身。宇宙航空関連製品(ロケット・衛星)の営業・購買及び生産管理業務に携わりながらも書作活動を続ける。2022年に定年退職後、書家・書道講師・書道塾経営に専念、地元八王子で書道普及活動に奮闘中。現在八王子書道連盟会長、群鵞書道院常任総務(書道誌「書之世界」発刊)、独立書人団会員、毎日書道展会友、香風会会長、八王子書道会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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