出版社内容情報
金継ぎの技法の基礎を、写真と説明で丁寧に解説するほか、本書では、器の素材や釉薬、破損の状況に応じた修復のさまざまな技術と、装飾のアイデアを解説します。
壊れやすいカップの持ち手や急須のふたにはダボ(芯)を入れたり、より大きな欠損には麻布を使ったりなどの技法に加え、
色漆や金属粉の応用的な活用の仕方などを網羅。
こうした金継ぎの応用的な内容まで触れた本は他にはなく、漆や木工、修復等々の仕事に携わる人への参考としてはもちろん、基礎もしっかり解説しているので入門者にもおすすめ。金継ぎの技法書の決定版的一冊になっています。
■目次
漆について/破損の主な種類/金継ぎの主な流れ
序章 道具と材料を知る
金継ぎの道具/筆・ヘラ/研ぎ・削り/粉蒔き・磨き/その他の道具/漆の種類/漆に混ぜる粉の種類/漆を配合する
1章 金継ぎの基本
素地の見極めと前処理/割れ/欠け・ほつれ/大きな欠けの場合/ひび・にゅう/呂色漆で仕上げる「漆継ぎ」/磁器を繕う
仕上げの装飾
金属粉の種類/仕上がりの比較/金属粉による仕上げ/銀粉の経年変化
2章 金継ぎの応用
形や素材に応じた繕い方
ダボによる補強①カップの持ち手②急須の持ち手/よくある破損①急須の蓋②急須の注ぎ口③大皿④ガラス器/さまざまな修理技術①大きな欠損②粉砕・展開 口径が狭い器を繕う③窯割れ(焼締めの素地)
装飾のバリエーション
色漆による仕上げ/色漆の応用①共色仕上げ・展開 白檀塗りによる共色仕上げ②色漆による粉染め/共柄仕上げ/見立てによる仕上げ・実践 「月に叢雲」ができるまで
金継ぎをした器の扱い方/用語解説/道具や材料を扱う店
コラム ①焼き継ぎ/②かすがい継ぎ
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内容説明
漆による器の修理は、古くは縄文時代に始まり、やがて室町時代に「金継ぎ」として発展を遂げる。壊れた跡を「隠す」のではなく、逆に金銀粉で際立たせ、器の景色として愉しむ感性。それは、不完全なものにも美を見出す「侘び茶」の精神から結実された、日本人の美学といえる。
目次
序章 道具と材料を知る(金継ぎの道具;漆の種類;漆に混ぜる粉の種類;漆を配合する)
1章 金継ぎの基本(素地の見極めと前処理;割れ;欠け・ほつれ;ひび・にゅう ほか)
2章 金継ぎの応用(形や素材に応じた繕い方;装飾のバリエーション)
著者等紹介
工藤かおる[クドウカオル]
1958年、東京生まれ。東京藝術大学工芸科大学院漆工芸専攻修了。在学中は漆芸家で蒔絵の重要無形文化財保持者である故・田口善国氏に漆工芸を学ぶ。卒業後は、木地をキャンバスに漆や金銀箔で描く「板絵」作品を制作、「館・游彩」など都内のギャラリーで板絵展を開催。創作活動の傍ら、女子美術大学や産経学園の金継ぎ教室で講師も務め、金継ぎ講師としては25年以上の実績を持つ。2000年からは、木漆工芸家の工藤茂喜とユニットを組み、木と漆を扱う工房、スタジオ温をスタート。スタジオ温では金継ぎを担当し、教室を主宰している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。