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出版社内容情報
海水から水素を取り出し、核融合反応によりヘリウムに変えることにより得られる莫大かつクリーンなエネルギーが、核融合エネルギーです。
核融合エネルギーが実現化することで、私たちの生活が大きく変わり、環境問題にもたいへん大きなインパクトを与えることができます。
「核」と名の付くことから危険なイメージを持たれますが、ウラン等を使う核分裂炉に比べて安全性も高く、かつ宇宙時代の惑星間航行など、将来の技術革新には欠かせない技術であることから、2050年の運用を目指して、世界の研究機関で協力しながら、あるいは野心的なベンチャー企業によって、開発が進められてします。
本書は、核融合という言葉は知っていても、どのようなものか具体的には知らない人、またエネルギー問題に興味のある人、将来の研究者およびその教育者、ビジネスチャンスを狙う人など、多くの人に読んでいただけるよう、様々な方面から核融合エネルギーについて解説します。
目次
第1章 核融合エネルギーとはなにか?
第2章 核融合エネルギー実現のために必要なこと
第3章 核融合エネルギーの安全と環境問題
第4章 核融合エネルギーとビジネスについて
第5章 教育現場で核融合の理解を深める
第6章 核融合エネルギーが実現化するとどのような世の中になるのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫路(ねころ)
7
核融合の基本的なことが網羅できました、素晴らしいエネルギー技術ですね、オープンキャンパスに行ってみたいです。水爆と核融合の違いとか無知な面で助けられました。2023/02/10
ZⅢ
7
核融合のエネルギーの可能性と原理が分かりやすく解説されていて面白かった。 ・水素の核融合反応と石油の化学反応では、1500万倍も発生するエネルギーが異なる。 ・ベクレルは放射能の強さを示す単位ではなく、1秒間に何個の原子が放射能を出すかの単位。人体からも7000ベクレルの放射能が出ていることから考えても、脅威の指標にはならない。 ・鉄は核融合も核分裂も起こさない最も安定な元素なので、鉄より重い元素は超新星爆発か、中性子星の合体からしか生まれない。2021/04/18
まあさん
3
久々の理系本。先端技術を解説してもらえ、興奮させてもらいました。2025年にITER完成だそうな。大阪万博も、阪神二軍球場もおなじ頃に完成です。どうでもいいか。最先端とはいえ結局、質量欠損がベース。プラズマを起こすのが大変だからいいけど、何かがひっくり返るような、理論でもない。とは言え、そこで開発された技術が何処かでも応用できそうな感じ。やっぱり未来を見るのは楽しいです。2023/10/12
まっちゃん2
3
読み始めは、すごく簡単で中学生向きか?とおもったが進むにつれ結構難しい話になる。本質的に重要な事柄を一般にも理解可能に図を豊富に使って解説している。核融合の本は意外と少なくてこれが一番新しいそうということで購入した。 1970年代後半、プラズマ物理をセミナーで勉強したがほとんど忘れてしまった。それから40年以上たって着実に実用化は近づいている。それにしても長いですね、発想から100年単位ですね。2022/11/20
黒豆
3
タイトルの「きほん」が「ひらがな」なことから分かり易さ?もしかして子ども用?少なくとも平易な事を予感。平易であり科学的な視点に加えて技術的な達成度を加え基本から工業化のレベル問題点など読み応えあり、最近ニュースなどでの話題ないなあ?一方で生きている間に商業化は無理かな?2021/04/12