出版社内容情報
アジアの漢字文化圏の生活や伝統図像に息づく、人々の祈りが込められたさまざま文字のかたちを、杉浦康平が豊富なヴィジュアルとともに読み解きます。
目次
1 文字液が流れる文字
2 文字を纏う
3 文字を戴く
4 文字を運ぶ
5 文字と暮らす
著者等紹介
杉浦康平[スギウラコウヘイ]
1932年、東京生まれ。グラフィックデザイナー、神戸芸術工科大学名誉教授。ポスター、ブックデザイン、ダイヤグラム、展覧会の企画・構成などの第一線で活躍。70年代より東洋と西洋のデザイン思考の統合を目指す作品を多数生みだす。アジアの図像研究の第一人者としても知られている。55年、日本宣伝美術会賞、82年、文化庁芸術選奨新人賞、97年、毎日芸術賞などを受賞。同年、紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
邪馬台国
7
漢字の持つ呪術的な側面を、日中韓の様々な品々を通して紹介。どれもビジュアルとしてのインパクトが強烈(に映える杉浦さんの力強いブックデザイン)で、この本からありありとしたエネルギーが立ちこめてくるよう。杉浦さんの文字に関する講義本は挫折してしまったのですが、この本は手短な解説文で抑えてあるので気軽にめくれます。2017/05/02
薄雪
4
文字は声の乗り物。単なる記号に止まらない、記号性からはみ出した文字の活力。なるほどなぁと思った。書くだけじゃなくいろんな文字の表し方があって、それぞれに発しているものが伝わってきた。特に大ぶりの水がめに焼きつけられた「水」の文字に心が惹かれた。2014/03/04
ユウティ
3
中国、朝鮮、日本と梵字・漢字文化圏の豪華絢爛な衣服や雑貨が紹介されている。朝服、クッション、簪、水煙管、椅子など、中国ドラマの紫禁城の小道具のようなものが沢山載っていて小躍りした(笑)中国と朝鮮は『双喜』と『福&蝙蝠シルエット』が圧倒的に多く、日本はもう少し色々な漢字やシャレを使っているみたい。本自体も個性的な作りでわくわくしながらページをめくった。赤黄紫は高貴でおめでたいイメージなのかしら。説明文は一見普通っぽいけれど、著者の世界観に同調しないと読み込めない感じで、これがなかなか難しかった。2021/05/02
メルセ・ひすい
2
11-50 赤 ‘32東京生 グラフィック・D.神戸芸術工科大名誉教授 ・手足をのばし、声をのせて踊りだす文字。呪力あふれ、霊気をはなつ文字、・・・ 人々が気づかぬ場所にひっそりと現れ、棲みつく文字は思いがけないふるまいで、目に見えない力をたぐりよせ、日々の暮らしを活気づける。文字たちの予想を超えた変幻の妙、魅惑に満ちた姿・形に眼をこらす・・・2009/04/25
skr-shower
1
中国・韓国・日本のアジのでざいんと原色の力!という感じ。文字も魂というか力や想いがこもっている。「寿」「喜」「水」、呪術の世界。2019/09/11