出版社内容情報
昆虫好きや博物学好きから熱狂的な支持を得る美術作家・蛾売りおじさんの初めての著書。
鱗粉を刺繍糸に置き換えて、蛾への愛を込めて一糸一糸刺した超絶技巧の刺繍作品の数々を掲載。
生態観察から始まる制作秘話をはじめとした、蛾への偏愛ぶりをしめすエッセイも収録。
目がつぶらで可愛いと定評があるカイコガをはじめ、宝石のようなサツマニシキ、
ハチドリのようにキュートなオオスカシバ、この葉隠れする蛾界の忍者ムラサキシャチホコなど、
個性豊かな45頭の蛾を紹介。
優美であやしくも、モフモフでかわいい蛾の世界へいざないます。
内容説明
超絶技巧の刺繍作品の個性豊かな蛾、全44種を紹介。
目次
1 人と蛾(オオミズアオ;カイコ ほか)
2 季節の蛾(イボタガ;オオスカシバ ほか)
3 擬態する蛾(アケビコノハ;ムラサキシャチホコ ほか)
4 美しい蛾(サツマニシキ;オキナワルリチラシ ほか)
著者等紹介
神保宇嗣[ジンボウツギ]
国立科学博物館動物研究部研究主幹、博士(理学)。専門は昆虫分類学・生物多様性情報学。中学で蛾に目覚め、小さな蛾の世界にはまっていき現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
89
蛾をビジュアルとしてまとめた本。いざ開いて読んでいくと 紹介されていた写真は写真でなくて蛾の模様を丁寧に再現したことを知りびっくり。それをブローチに仕立てている。とくに「美しい蛾」の章ではとても蛾がこんなに美しかったとは気がつかなかった。・・・こんな模様をどのように刺繍していくのかがとても気になった。蛾の苦手の人でもその美しさと精巧さに感心してしまった。図書館本2019/07/16
小梅
82
素晴らしい!の一言です。ツイッターでフォローさせてもらっているのですが、蛾売りおじさん=刺繍担当と絵担当の二人組。刺繍も絵も本当に素晴らしい。表紙の裏にオマケの漫画付きなんだけど、気付かない人がいそうです(笑)2019/07/12
鱒子
65
図書館本 刺繍なんです、この蛾たち全部!すごい!糸を鱗粉に見立てて一針一針刺繍して、見事な立体の蛾を作り上げておられます。ボタニカルアートと組み合わせた写真も素晴らしい。自然の美を称賛し、先人の培ってきた膨大なデータに感謝する、そんな著者の文章も魅力的です。2020/07/27
すぱちゃん
27
読友さんが紹介してくださった本。私は蛾が好きだ。蛾は日本には数千種類も生息する。日本産蝶類がせいぜい300種類だということと比較しても魅力的だ。翅の模様だって蝶より複雑だ。その蛾を蛾売りおじさんは刺繍で醸し出す。希有な才能だ。皆様が嫌う粉状の毛も、モフモフな感じで再現する。これらの蛾ブローチ欲しい!私が子供の頃は、街灯の下には、夜間、蛾が集まっていたものだ。街灯がLEDになってからは光の波長のせいか、そのような光景は見ない。それぞれの種類の生態や文化的背景についても記され、勉強になった。2020/08/04
魚京童!
26
厚さなんだと思う。蝶より厚いよね。なんだろうね、この違い。翅の折り畳み方とか習ってけどさ、そうじゃないよね。気持ち悪い。なんでだろうね。ゴジラを倒したのはモスラだし、モスラは蛾なんだよね。それだけのことはあると思う。だって蛾なんだもん。なんだろうね。身体が示す拒否反応。笑ってしまうよね。蛾。我に似た虫。蛾。しょうがないよね。同族嫌悪だよね。蛾。いまでもゾワってする。蝶はならないのに。なんか違うよね。世界が。私の世界に近似した何か。蛾。しょうがないよね。蛾なんだもん。2019/07/31