出版社内容情報
デザイン誌『アイデア』での同名人気連載がついに書籍化!
これまで国内で自主制作されてきたZINE(ジン/同人誌、ミニコミ、リトルプレス)を総括する初の試みとなる本書では、
日本のZINE文化に詳しい著者陣が、年代とテーマごとに資料を分類。
制作時の状況や成り立ちを丁寧に解説していく。
そのほか、各年代のZIENをめぐる状況をよく知る人々へのインタビューを収録するなど、貴重資料が満載。
連載記事の内容に加えて、未収録資料や年表などの新規資料を追加し、
1960年代から現在に至る日本のZINE文化を豊富な資料と証言、ビジュアルによって振り返る年代記。
内容説明
デザイン誌『アイデア』での同名人気連載がついに書籍化。管理と検閲、商業主義が猛威を振るう21世紀の現在において、出版活動の一筋の希望となるであろうZINEカルチャー。1960年代から現在に至る日本のZINEをめぐる状況を、豊富な資料と証言、ビジュアルによって振り返る。連載未掲載資料を追加収録。ZINEマップ+年表付。
目次
0 ZINEのABC
1 60~70年代のジン―オキュパイド・ジャパン以後
2 80年代のジン―ポストパンクの断片たち
3 90年代のジン―“Google以前”の世界
4 2000年代のジン―印刷は死なない/ジンとブログのあいだ
5 2010年代のジン―SNS時代のジンスタたち
6 コミティアと自主制作漫画誌の30年
7 関係者インタビュー
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
39
ZINEとはファンが作る同人誌、ファンジンから転じた語で、本書は日本のZINEにまつわる歴史を丹念に追いつつサブカルチャー史としても読める労作。野中モモさんとばるぼらさんの対談形式になっているため、フォントはかなり小さいが図版も豊富で読みやすい。タコシェ代表、文学フリマ代表、コミティア代表、などそれぞれのZINE文化を担う方々のインタビューも満載。正直ロックについてはよくわからなかったが、それでも熱は伝わってきた。巻末にZINEマップと年表つき。2017/12/03
阿部義彦
21
あー読むの時間かかったけど、面白かった。私の青春とも云えるzineもちらほら、(ビックリハウス、ぱふ、バーフアウト、COM、漫金超、ぴあ←全てこれらは大手資本による例外みたいなものでそれ以外の、泡沫のようなzineこそがこの本の主役です。)よくもこれだけの書影を集めたものだと作者の情熱には頭が下がります。後半の関係者のインタビューがまたエキサイティングなのですが、私の苦手な横組みでおまけに字が小さくて老眼の身には読むの辛かったです。前半の様々なzineの表紙を眺めるだけでも飽きませんよ。ブックカフェ必携!2017/11/25
たんたん麺
6
ZINEを勉強するなんてバカバカしいことだ。ZINEの歴史だとか、作られただとか、どんなものがあるのとか、そんなことをいちいち解説するなんて、自主性を重んじるZINEの精神から最も遠い行為ではないか。ーこれからわたしたちがはじめ、あなたが読みはじめるこの本に関して、そういう気分がないわけではない。けれども、「たったひとつの冴えたやりかた」の説明ではなく、「世の中にはいろんな方法があって、こういうやり方でも大丈夫、O・K。ノージャンル、または千の方法」という心のあり方が、わたしたちがもっとも伝えたいことだ。2017/11/12
古戸圭一朗
2
ZINE(ミニコミ・リトルプレス・同人誌)について、野中モモ・ばるぼら両氏がそれらに接してきた体験も踏まえて、その50年以上にわたる歩みを語る。政治・社会状況やテクノロジーと言った技術的環境の変遷を通じて、ZINEもまたその在り方や役割を変えてきたのだ、と実感できる。後半のインタビューも含め、雑誌というメディアに活気があり、それに(良い悪いはあるにせよ)影響を受けた人々が多く登場するが、今は雑誌が勢いを失い、雑誌に慣れ親しんでいない世代がZINEを作るというフェーズに入っている気がする。2018/11/02
青木 優
2
84年のマーシー(真島昌利)作のジン、読みたい。80年代のモッジン『HERE TODAY』はザ・コレクターズの97年のアルバム名の由来?一昨年のBOXのライナーで触れるべきだったなー。岡村みどりさんのバンド、日本ファムファイターズの名は中嶋勇二さんの影響?中山亜弓さんの話に出てる小川てつオさんとはジーコ内山劇場で共演しました。北沢夏音さんが、ポール・ウェラーが日本のシーンに与えた影響を語られてたのを覚えてる…初期バァフは何冊か買った。のちに一度仕事も。僕はZINEという呼び方よりミニコミの方がなじみ深い派2018/06/07